一般質問と答弁の概要を掲載しました

私は、日本共産党を代表し、一般質問を行います。

質問に先立ち、18日朝に起こった大阪府北部地震について、亡くなった方とそのご家族にお悔やみを申し上げ、被災された方々にお見舞い申し上げます。

 

1.地震対策について

■ 学校や学童クラブの安全対策を
大阪府北部地震を受けて、県内の地震への備え、特に子どもたちの安全を確保する   ため、学校敷地内すべての構造物の安全性確保の取り組みと、学童クラブの建物の耐震化の状態はどうなっているか?

回答(福井政策監):学童クラブの耐震化は84.3%。国の補助制度を活用し、市町村と連携して耐震化を進めていく。

 

2.知事の政治姿勢について

■ 県民の暮らしの実態、生の声を広く把握する仕組み作りを行うべき

私は、住民の福祉の向上という自治体本来の仕事を投げ捨て、知事と関係の深い人物を優遇する県政の私物化、そのもとでの忖度の蔓延が進行しているのが飯泉県政だと指摘。

アベノミクスで格差と貧困が広がり、相次ぐ社会保障の改悪で、県民の暮らしはますます厳しくなっている。介護保険料は制度が始まった当初の2倍以上に引き上げられ、少ない年金から天引きされる高齢者から悲鳴が上がっているが、知事の所信表明では、県民の暮らし野福祉についての言及はなかったことを上げ、今の県政には、広く県民の暮らしの実態、生の声を掬い上げる仕組みがないことも大きな要因ではないかと指摘。現在行っているe-モニター制度(公募100人+市町村長推薦100人程度が、県が設定した項目についてインターネットで回答するもの)等ではなく、他県のような、かつて徳島県でも取り組まれていた、1,000人~5,000人規模の県民アンケートを復活してはどうかと提案した。

回答(後藤田副知事):県では、e-モニター制度等、様々な手法で県民の暮らしの実態、生の声を掬い上げる努力をしてきた。

 

 

3.とくしま記念オーケストラ事業にまつわる疑惑について

■ 事業にまつわる疑惑次々と!

答弁に立った飯泉知事は、とくしま記念オーケストラ事業を始めた経緯とその成果について、これまで議会で述べてきた主張を長々と述べ、記念オケ事業に関わって脱税の罪が確定した川岸氏への調査について必要はないと否定したこと以外、質問に対して正面から答えることはありませんでした。

質問に対して実質的な答弁に立った板東県民環境部長は、知事がすでに述べたことも重複して繰り返して述べる部分も目立ちました。記念オケ疑惑に関する質問(再問も含む)と答弁の概要は以下の通りです。

①理事会に承認なく、記念オケ事業増額
公益財団法人徳島文化振興財団の会計処理規程15条には、「予算の補正を必要とするときは、理事長は、補正予算を作成し、理事会の承認を得なければならない」とありますが、記念オケ事業では、大幅な予算の増額、事業の追加について理事会を開催し、協議した形跡がありません。その総額は、2013年~2016年度の4年間で、2億918万円にも膨らみました。
ところが、県民環境部長は、事業費の増加は、認められた計画の効果が上がるように取り組んだ結果だとし、問題はなかったとの認識を示しました。

②事川岸氏以外にも音楽専門家に報酬(謝礼)
党県議団が財団に対して情報公開請求を行った結果、2016年度は、派遣職員1名の本給を除く手当、237万円を、川岸氏以外の音楽専門家3人に250万円の報を支出していたことがわかりました。
この「報酬」は、2013年度から2015年度までは2名に180万円支出されています。
記念オケ事業にかかわる人物が、川岸氏以外に2名も3名もいたことは、これまで議会に全く報告がありませんでした。
私は、いったい誰からの要請でどのような人物に支出したのかと問いましたが、県民環境部長は、音楽専門家の詳細については「個人情報保護」を理由に答えませんでした。

③2013年度、川岸氏の給与を年度初めに一括払い
川岸氏は2012年度で県の政策参与を辞めましたが、2013年度には、文化振興財団と個人契約を結んで記念オケ事業を担いました。
その際、川岸氏には、月ごとに支払うべき給与を、年度初めの4月に一括して90万円、支払っています。
県民環境部長は、「財団で適切に支払われた」と答えましたが、異例です。

④納税証明書を確認せずに契約!?
公益財団法人が多額の経費がかかるような事業を行う際、契約する事業者の納税証明書を確認することは当然です。
ところが、川岸氏が代表を勤めていたアンサンブルセシリアについては、納税証明を確認していませんでした。(アンサンブルセシリアは設立後27年間、一度も税の申告をしていませんでした。)
なぜ、確認しなかったのかとの問いに、県民環境部長は、「すべての事業において確認するわけではない」と、とぼけました。

■川岸氏の調査を求める

財団の数々の異常な運営の背景には、川岸氏が事実上の財団の「政策参与」として記念オケ事業に関わったことがあります。
私は、知事が川岸氏を県の政策参与に任用したことがすべての発端だと指摘し、川岸氏への調査を行い、疑惑の真相を明らかにして説明責任を果たすよう求めました。

知事は、政策参与に任命した責任については認めましたが、川岸氏の脱税の罪はそれほど重いものではないなどと述べ、調査を行う意志がないことをあらためて示しました。

一般質問は質問と答弁との合計で60分以内という決まりがあり、質問者に30分程度は保障するよう答弁時間を調整するのが通常ですが、今回は、私が18分、知事を含めた理事者(執行部)が42分と、答弁者が質問者である私の倍以上の時間を使ったため、4つめのテーマ「オリックス株式会社の風力発電事業計画について」は質問を中止し、文書質問に変更せざるを得ませんでした。

あまりに異常な答弁に、傍聴者からも「知事は大人げない」「質問つぶしのようないやがらせ答弁に驚いた。かえって、記念オケ疑惑についてまともに答えられない、やましいことがあるのではないかという疑いがますます強まった。」との声が寄せられました。

質問後の休憩時間に、傍聴にこられたみなさんと記念撮影(都合で先に帰られた方もおられます)

11月議会閉会日  私の 年金制度に関する請願の採択を求める討論を掲載しました

 私は、日本共産党を代表して、請願第18号「若い人も高齢者も安心できる年金制度について」は、継続審査ではなく、採択すべきとの立場から討論を行います。

公的年金は、老後の生活保障の柱であり、現役労働者も若い人にとっても将来高齢になったときに安心してくらしてけるだけの公的年金が保障されるかどうかは重大な関心事です。国の調査でも、社会保障制度で充実させるべき分野は「老後の所得保障(年金)」と答えた方が41%を占めており、特に30代から40代の現役世代の強い要求となっています。 ところが、現状は、年金受給者の40%近くが月10万円以下の年金です。そのため定年退職後も年金収入だけで暮らせない高齢者は嘱託、契約、アルバイト、パートなどで食いつながざるを得えず、ゆとりある豊かな老後とはほど遠い状況です。健康を害して働けなくなると事態はもっと深刻になります。
生活保護世帯のうち65歳以上の世帯の割合が50.8%を超え、低年金や貧困の深刻化が鮮明になっています。
政府が昨年末、強行した「年金カット法」による年金引き下げや年金開始年齢のさらなる引き上げが、将来不安をいっそう高めています。

長年、日本社会のために貢献してきた高齢者が安心して暮らしていけるだけの年金額を毎月安定的に得ることは、高齢者にとって当然の願いであり、憲法に保障された国民の権利です。
また、年金のほとんどは消費に回るため、消費や税収等、地域経済や地方財政に大きな影響を与えます。

国の責任で、「若い人も高齢者も安心できる」年金制度を実現することは、 社会保障の問題だけではなく、地域経済、地方財政にとっても喫緊の課題です。
請願にある要望事項の「年金の隔月支給を国際標準である毎月支給に改めるこ と」、「年金支給開始年齢の引き上げは行わないこと」、「『マクロ経済スラ イド』は廃止すること、「全額国庫負担の『最低保障年金制度』を早期に創設すること」は、どれも切実な県民要求であり、この声を国に届けることは、県民を代表する県議会として当然の責務ではないでしょうか。

よって、本請願は速やかに採択し、国に意見書を上げるべきです。
議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。

11月議会閉会日  議案と請願の1つに関する達田議員の討論全文

<達田議員の議案と請願についての討論>

私は、日本共産党を代表して、提案されている議案第4号、第5号に反対の立場で、請願第17号は不採択とせず、採択すべきとの立場で討論いたします。

まず、議案第4号「住民基本台帳法施行条例の一部改正について」は、いわゆるマイナンバー制度と連動しているもので、法律で規定された事務に加え、本県独自で利用するための規定を設け、教育委員会や知事部局で執行する事務を処理できるようにするものです。
議案第5号は、これまで、こうした事務処理ができるのが18項目であったのを19項目として、「私立の小・中学校の生徒の修学支援のための事業に係る補助金の交付に関する事務」を加えるというものです。
住基ネットワークシステムでは、意図的に情報を盗み得る人間がいるなど悪意による情報漏洩だけでなく、システムを取り扱う職員のヒューマンエラーなど、100%情報漏洩を防ぐ完全なシステムを構築することは不可能であることを、これまでに何度も指摘してきました。11月22日報道の朝日新聞では「県内で今年5~6月にかけて6市町で計29人分の個人情報の漏洩があった」との報道がありましたが、懸念されている問題がすでに次々と起きているのです。                                             県民の利便性の向上及び行政事務の効率化に資するといいますが、住民基本台帳ネットワークシステムの利用拡大は、個人情報漏洩の危険をますます大きくするもので、賛成できません。

つぎに、請願第17号「国保の県単位化にあたって払える国民健康保険料(税)にすることについて」は、採択すべきです。

国民健康保険は、他の医療保険と違い、事業主負担がありません。その上、加入者の高齢化で医療費が高くなっていることや、無職者、非正規労働者等、低所得層が増えていることなどから、他の医療保険に比べ、その保険料(税)負担率は大変重く、加入者の負担能力を超えるものとなっています。
もともと、国保は、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする皆保険制度の砦として、かつては5割の国庫負担がありましたが、1984年の法改正から国庫負担が削減され、現在では24%にまで減っています。これが高すぎる国保料(税)を生み出し、市町村国保存続の危機の原因となっています。
来年度からの国保の制度改正にあたり、全国知事会は、国保料(税)を協会けんぽ並みに引き下げないと国保の構造的問題は解決しないとして、1兆円の国庫負担増額を求めていました。ところが、国が打ち出したのは、市町村一般会計からの法定外繰り入れ総額にも満たない3,400億円です。しかも、都道府県が策定する国保運営方針には、市町村の法定外繰り入れを解消させる内容が含まれており、このまま実施されれば、いずれ、国保料(税)は、さらに引き上げられることとなりかねません。

この請願には、3600筆を超える署名が添えられ、負担能力を超える高い保険料(税)を引き下げ、「払える」国保料(税)にしてほしいという県民の切実な願いが込められています。
ところが、委員会では、理由も述べず不採択としてしまいました。県民の願いを問答無用で切り捨てる議会のあり方で、県民の理解を得られるでしょうか。
よって本請願は不採択ではなく、採択するべきです。

以上、反対の理由を述べました。議員各位のご賛同をお願いし討論を終わります。

今日の決算認定についての反対討論全文を掲載しました

今日の県議会本会議で行った、2016年度普通会計歳入歳出決算に対する反対討論は以下の通りです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は、日本共産党を代表して、平成28年度徳島県一般会計歳入歳出決算に反対の立場で討論いたします。

平成28年度は、熊本地震を始め、各地で頻発する地震、秋の長雨と記録的日照不足、西日本の大寒波による記録的大雪、台風16号による被害など、前年に引き続き、自然災害が多発し、大規模災害への対策はますます切実な問題として焦点にのぼりました。
アベノミクスによる経済格差はさらに広がり、安倍政権は、消費税10%への増税を「世界経済不安」を理由に再延期せざるを得なくなりました。その一方で、政府は、社会保障を「改革の集中期間」と位置付け、医療・介護・年金や生活保護など、どの分野も改悪プランが進められ、県民の不安はいっそう増すこととなりました。
県民のくらし・福祉を守る政治への願いはますます高まっています。

県は、大規模災害への対策、災害復旧などで県民の要望に一定応えてきたものの、弱者の視点に立って住民福祉の機関としての役割を果たしてきたのか、また公平性や経済効果など、県民にとって真に利益となる使われ方をしているのかという視点でみれば、認定しがたい決算であったといわざるをえません。
認定できない、主な理由を述べてまいります。

第一は、消費者庁等の徳島移転に係る決算です。
県は、「地方への新しい人の流れの突破口」として「消費者庁」「国民生活センター」等の徳島移転の実現をはかるとしていましたが、業務試験の結論は、消費者庁がこれまで行ってきた迅速な対応を要する国会対応、危機管理、法執行、司令塔機能、制度整備等の主要業務は今まで通り東京で行うというものでした。つまり、消費者庁等の全面移転は出来ないということです。
ところが、県は、昨年9月の補正予算で、消費者行政推進費としてさらに500万円を増額しました。「新未来創造オフィス」を設置して、新しい仕事をし、3年後の検証・見直しへと結論を先延ばしにしたことは、県が無理を通した結果だと思わざるを得ません。消費者庁等の移転に関する支出の多くは、結局は無駄となってしまったのではありませんか。不十分な消費生活相談員の配置を増やす、待遇改善を行うなど、県内の消費者行政充実にこそ、力を注ぐべきです。

第二は、徳島東署施設整備や駐在所整備へのPFI導入に関する支出です。今年度と合わせて事前の調査・検討に約4千万円も使う計画です。
PFIは、大企業、金融機関、ゼネコンのための新事業を作り出すためのもので、主な儲けは県外の大手に吸い上げられる仕組みです。県内企業への優先発注という県の方針を無視するようなPFI導入のための検討費用に多額の県費を投入することは認められません。

第三は、28年度も、徳島化製協業組合という一民間企業に、農林水産部3,536万9千円、危機管理部1,886万3千円、商工観光労働部1,605万5千円と、補助金として計7,073万7千円も支出していることです。
平成6年から28年度までの総額は、実に48億4,125万1千円にものぼります。厳しい経済情勢のもとで、県下の中小企業の皆さんが苦労して経営を維持し、地域経済に貢献しているなかで、一社に破格の、かつ不透明きわまる補助金を出し続けていることは異常です。 第四は、阿波踊り空港の国際便施設整備設計費に支出している点です。5年前に整備したばかりのターミナルビルに、さらに18億円もつぎ込んで拡張する計画ですが、国際チャーター便の需要予測も極めて曖昧な上に、民間では利益を確保することが難しいから県が全額負担するというのでは、県民の理解は得られません。

第五は、徳島の食をテーマに情報発信と交流の拠点創設をうたった「とくしまブランドギャラリー『ターンテーブル』」開設に7,863万4千円支出したことです。
人通りの少ない地域で本当に集客して利益が上げられるのかどうか疑問です。しかも、県がビルの改修費も敷金も全額出し、年間家賃5千万円のうち3千万円も負担する契約で、利益はすべて施工業者のもの。これで県民の利益にどうつながるか、明確な説明もないまま事業が進められていることは問題です。

第六は、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の創設のための支出です。
企業版ふるさと納税制度は、寄付金を受けた自治体は収入増となる一方、企業が所在する自治体は、税額控除により税収が減るしくみであり、地方税制の基本をゆがめる恐れがあります。また、寄付を行った企業に対して何らかの見返りを自治体が与えるなど、自治体と企業の癒着が発生する懸念もあります。このように問題が多い制度創設の支出は認められません。

第七に県の財政を悪化させてきた大本である3000日の德島戦略の反省なしに、国営農地防災事業、旧吉野川流域下水道事業を漫然と続けてきた点です。
県は、旧吉野川流域下水道事業については、やっと事業を見直し、合併浄化槽中心の整備に切り替えていくことを表明しましたが、これまでの無駄遣いは取り返しがつきません。
災害対策の山崩れ防止や河川の安全対策を行ってもらいたい、交通安全対策で、子ども達が安全に通れるように通学道路を改良してもらいたいなど、要望が沢山あります。こうした身近なくらしにかかわる仕事に振り替えるべきです。

以上、認定できない主な理由を述べました。議員各位のご賛同をお願いして討論を終わります。

6月議会一般質問全文を掲載しました

6月21日(水)、日本共産党を代表して一般質問を行いました。質問全文を掲載します。

尚、徳島県議会のホームページの議員紹介のページに質問&答弁(音声と動画)が掲載されています。

005 (1280x843)日本共産党県議団を代表し、知事並びに理事者のみなさんに質問いたします。

 

1.「とくしま記念オーケストラ」問題について

 

まず、「とくしま記念オーケストラ」に関する問題について伺います。

知事は、脱税容疑で告発された川岸美奈子氏が「かつて本県の政策参与に就任していた者であり、県および『とくしま記念オーケストラ』の信用を失墜させたことは、誠に遺憾である」と所信で表明しました。 川岸氏個人の脱税容疑の問題に矮小化し、まるで“ひとごと”です。

しかし、県民の疑念や批判は、川岸氏と旧知の仲といわれる知事が川岸氏に便宜を図り、多額の公金が川岸氏に流れたのではないかということです。

「文化立県とくしま推進」の名のもとに、税金のムダづかいが行われ、それが利権の温床になったのではないか。あるいは、いま流行りの言葉でいえば、「知事のご意向」や「忖度」により、行政がゆがめられたのではないか、という点に、県民は疑念を抱いています。

つまり、知事の責任こそが問われているのです。

知事は、当初、「県は被害者」だとか「民間同士の話」などと県の責任を否定し、県民の納めた税金が川岸氏にいくら流れたのかも調査しない姿勢でした。説明責任を果たせない税金の使い方は、断じて許されません。

県民の強い批判を受け、知事は、「演奏会経費の検証」や「アンサンブル・セシリアに支払われた金額の調査」、「基金の使途の明瞭性確保」「とくしま記念オーケストラの在り方の根本的な検討」を表明しました。問題は、その方向性と手法です。

 

そこで、次の4点にわたり、知事の責任という視点から質問します。

 

第1に、記念オーケストラに関わる公金の流れの全容を県民に明らかにする責任。

第2に、川岸氏を政策参与に登用した任命責任

第3に、文化行政を記念オーケストラに偏重させ、ゆがめた責任

第4に、条例にもとづかない基金を設置し、不透明な事業費の流れを生み出す仕組みを作った責任、  この4点です。

知事は、県民の不信をまねいたと夏のボーナスを全額返上するそうですが、少なくともこの4点について県民に明確に説明することこそが、知事がするべきことです。

 

まず第1に、記念オーケストラに関わる公金の流れの全容を県民に明らかにする責任についてです。

 

知事は、アンサンブル・セシリアに流れた金額について、見積書などから算出を進めていると答弁されました。

川岸氏の脱税容疑は、主に徳島県内で開催されたクラシック・コンサートに出演する演奏者の手配で3年間に得た1億3,000万円の所得に対するものです。県民は、この所得はほぼ全て徳島で開いた演奏会のものと見ています。

この3年間に対応する記念オーケストラの事業費は、ほぼ2013年度から2015年度の3年分が対応し、合計3億6,000万円です。

つまり、川岸氏が申告していなかった1億3,000万円の所得がすべて徳島分とすれば、記念オーケストラ事業費の実に36%、3分の1以上が、川岸氏に流れていることになります。3年間の公演回数は20回ですから、1回あたり650万円が、川岸氏に渡っている計算です。

それだけに、県民が納得できる調査が必要です。

演奏会経費の検証については、他県などと事業費を比較し、「旅費、宿泊費、楽器運搬料などの経費は、距離の点を考慮した補正を行えば、他団体とほぼ同程度と見込まれるとしています。

しかし、「高すぎるのではないか」というのが、音楽関係者の声です。

そこで伺います。

記念オーケストラ経費の検証、および川岸氏に流れた金額の調査は、県民が納得できる公正さと信頼性・透明性が不可欠です。調査・検証は、どのような形で、いつまでに結果を公表するのか、答弁を求めます。

 

第2に、川岸氏を県の政策参与に登用した知事の任命責任です。

川岸氏が政策参与に就任していた期間は、2011年度(平成23年度)と2012年度(平成24年度)の2年間です。その翌年度2013年度(平成25年度)には、記念オーケストラの事業費が4倍に急増しました。

そして、川岸氏の脱税容疑は、2013年(平成25年)6月から2016年(平成28年)7月までの3年間です。

川岸氏が、政策参与の肩書を使って、記念オーケストラ事業に自社が介入できる仕組みづくりを画策していたのではないか、というのが普通の見方です。

徳島新聞に、「県の政策参与という公的肩書が記された名刺があれば信頼性は増す。川岸氏を登用した詳しい経緯を知りたい」という音楽関係者の声が紹介されています。

つまり、知事が、アンサンブル・セシリアを使うように直接指示しなくても、川岸氏に政策参与の肩書を与えたことで、音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」に、お墨付きを与えたことになるのです。

「知事の威光を背景に、県の事業に過度に口出ししていたのではないかとの指摘もある」ということが、同紙の社説で紹介されています。

そこで伺います。

知事は、川岸氏を政策参与に登用した、みずからの任命責任をどう考えているのか、答弁を求めます。

 

第3に、文化行政を記念オーケストラ偏重にゆがめた責任についてです。

2008年度(平成20年度)に、知事の肝いりで「文化立県とくしま推進会議」と「文化立県とくしま推進基金」が創設されました。基金は推進会議が運用する仕組みです。

県が2億円を投じて創設した基金は、国民文化祭で高まった文化振興の機運を継承発展させるため、徳島ならではの文化資源に磨きをかけ全国に発信をしていく事業、次世代後継者育成、市町村や文化団体の文化活動の支援が目的でした。

2013年度(平成25年度)には、2億3千万円を投じて基金を増額するとともに、「クラシック、ジャズ、邦楽など音楽文化が息づくまちづくり事業」にも、使途を拡大しました。

その結果、記念オーケストラの事業費は、初年度の2011年度(平成23年度)に2,300万円だったのが、2016年度(平成28年度)には3億1,300万円と13倍にも膨れ上がりました。

一方で、当初目的としていた市町村や文化団体への支援は、2016年度(平成28年度)予算ベースで2,000万円。基金創設後、大きくは変わらず、平均して年間1,300万円です。

 

そこで伺います。

 本県の文化行政を記念オーケストラに偏重させた責任について、知事はどう認識しているのか、答弁を求めます。

第4に、条例にもとづかない基金を設置し、不透明な事業費の流れを生み出す仕組みを作った責任についてです。

知事は、「基金の使途の透明性に努める」とは言いますが、不透明にした自らの責任には全く触れていません。

記念オーケストラ事業への資金の流れの不透明さは、知事を会長とする任意団体「文化立県とくしま推進会議」を設置し、そこに基金の管理運用を任せたことにあります。

本来、地方自治体の基金は、自治法で条例にもとづき設置することが義務づけられていますが、この基金は条例にもとづいていないため、議会のチェックが働きません。

基金の原資は、県が補助金で毎年出しています。これまで9億1,000万円もの基金造成費補助金を出しているのに、基金の管理運用は、県議会に議案として出されません。

マスコミも、「基金から拠出される事業費の細かな使途や額は県議会の議案に盛り込まれておらず、十分なチェックを受けていないために、ブラックボックス化している」(徳島新聞社説6月7日)と指摘しています。

2015年(平成27年)5月には、基金造成費補助だけでなく、推進会議の事業にも補助金を交付する仕組みに変えています。この変更は、議会にも報告していません。

補助金交付要綱では、「推進会議は、あらかじめ知事と協議し、その承認を受けて、事業に要する経費に対し、基金を充当することができる」としています。

知事のチェックが入ることで、公平性・透明性を確保しているつもりなのかもしれませんが、裏を返せば、知事の判断で、自由に実施する事業や基金の取り崩し額を決めることができるのです。

つまり、議会のチェックを受けずに知事が自由に使えるよう、移し替えているのです。「文化立県とくしま推進基金」は、基金などでなく、実態はプール金です。

そこで伺います。

任意団体に基金を設置し、不透明な事業費の流れを作り出した責任を知事はどう認識しているのか、答弁を求めます。

 

 

2.国保の都道府県単位化について 

次に、国民健康保険の都道府県単位化に向けての県の取り組みについてお尋ねします。

今回の国保の都道府県単位化という制度改正にあたり、県は、市町村、及び国保連合会の職員による国保運営方針連携会議を設置し、納付金、標準保険料率の算定の方法などについて協議を行っています。

ところが、県は、ホームページで制度改正についてのお知らせを掲載しただけで、市町村との協議内容も、納付金、標準保険料率の試算結果なども、県民には全く知らせていません。 このままでは、被保険者である県民が蚊帳の外に置かれたまま、国保運営方針や市町村の納付金、標準保険料が決められてしまうのではないかと危惧する声が県民から上がっています。

高知県が、行政の透明性の確保、説明責任を果たすことが大事だとして、市町村との協議内容から納付金、標準保険料試算など、すべてを公開していることと対照的です。愛媛県でも市町村別の標準保険料試算を公開しています。

情報を開示することで、制度改革について、県民に理解を求め、県民の声を聴き、問題があればともに考える姿勢を示してこそ、県民の信頼を得ることができます。

そこで伺います。

市町村との協議、保険料試算の結果など、議論の過程を明らかにし、市町村議会や県民の理解を得られるような進め方をすべきではありませんか。お答えください。

国保をめぐる県下の状況は深刻です。多くの県民が高すぎる国保料・税に苦しんでいます。

徳島県は、国保料(税)の所得に占める割合が平均で2割を超えており、全国と比

べても、大変過酷な状況です。

例えば、徳島市の30歳独身の方は、年間200万円の所得で、39万円の国保料

を払っているそうです。30歳ですから、介護保険料は徴収されていません。ボー

ナス抜きで計算すると月16万~17万円の所得で3万2500円の保険料を支払っている計算になります。大変な負担です。

年間39万円の保険料を払っている県職員は、いったいどのくらいのお給料をもらっているのだろうと、担当課に聞いてみましたが、30歳でそんな高額の保険料を払っている職員はおりませんとのことでした。

ちなみに、県職員の場合は、保険料率が1,000分の44.3とのことですから、この方の所得で計算すると、毎月の保険料は8千800円程度で済む計算です。

国民健康保険に加入している世帯主の多くは、非正規労働者や年金生活者、無職の方たちで、低所得の方が多いという特徴があります。

そもそも、国が国庫負担を50%から25%まで引き下げたことが、高すぎる国保料・税の原因の大本であり、保険証の未交付などの原因となっています。アベノミクスによる経済格差と貧困の拡大がそれに拍車をかけています。

国保改革で県民が一番願っていることは、払える国保料・税にしてほしいということです。

午前中の須見議員への答弁で、知事が、今回の制度改正によって県民の国保料・税が現在よりも高くなることを前提として答弁されたことは、県民にとっては大きな驚きです。

国に国庫補助を増額することを求めることは当然として、県としての独自の施策も求められていると思います。

そこで、伺います。

 今でも高すぎる国保料(税)を引き下げるために、県としてどのような施策をとるのか、所見を伺います。

  一旦お答えをいただいた上で、質問を続けたいと思います。

 

【再問】

お答えをいただきましたが、「とくしま記念オーケストラ」問題についての知事の答弁では、県民が納得するとはとても思えません。そこであらためてお聞きします。

県民の疑念や批判は、川岸氏と旧知の仲といわれる知事が川岸氏に便宜を図り、多額の公金が川岸氏に流れたのではないかということです。

さらに、「文化立県とくしま推進」の名のもとに、税金のムダづかいが行われ、それが利権の温床になったのではないか。あるいは、いま流行りの言葉でいえば、「知事のご意向」や「忖度」により、行政がゆがめられたのではないか、ということです。

この2点について、知事の再答弁を求めます。

その上で、もう一点、お聞きしたいことがあります。

「文化立県とくしま推進基金」は、収支予算決算が毎年きちんと公開されていない、基金の運用利息も計上されていないなど、ずさんな管理となっています。

本来、条例に基づいて設置すべき基金を、条例によらず任意団体に設置し、議会のチェックが働かない仕組みにしているからです。

国は、「補助金等の交付により公益法人等に造成された基金」(いわゆる補助金基金)の見直しを2004年度から始めています。事業の目的が意味を失ったものもありますが、外部のチェックが働きにくい点が問題視され、見直しが求められました。

2006年8月には、「原則として10年を超えない範囲内で事業を終了する」など「基金基準」が閣議決定されました。

2014年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」では、「基金は、利点もある一方で、執行管理の困難さも指摘されていることから、その創設や既存基金への積み増しについては、財政規律の観点から、厳に抑制する」という方針が示されました。

同年10月には、補助金適正化法施行令を改正し、基金の対象となる事業の性質を法令上明確化しました。基金の対象となる事業は、複数年度にわたる事業で、各年度での必要な予算が見通しにくく、弾力的な支出が求められるものとされています。

これは国の補助金による基金についての定めですが、地方自治体にとっても指針となります。

「文化立県とくしま推進基金」は、2008年度に県が基金造成費補助を行い、それ以降、取り崩しては補助金で補填してきました。

基金を取り崩し、補填分を追加するのなら、基金として積み上げておくより、むしろ政策的経費として当初予算で必要経費を計上していくべきです。仮に、支出が増加して不足が見込まれそうな場合は、必要に応じて補正予算で追加する方が、実際の運用に即した予算計上ではないでしょうか。

記念オーケストラは、身近な場所でプロの本格的な演奏を聴く機会を県民に提供する点で意義はあるでしょう。しかし、記念オーケストラにしても市町村や文化団体への助成事業にしても、本来、基金事業には該当しないのではないでしょうか。

補助金基金の見直しの流れの中で、財務省は2015年度予算編成における対応において、基金事業に該当し得ると考えられるものとして、①不確実な事故等の発生に応じて資金を交付する事業、②資金の回収を見込んで貸付け等を行う事業、③当該事業の実施が他の事業の進捗に依存するもの、といった3つに限定しました。

国における補助金基金の見直しの流れからすれば、この基金は見直す時期に来ていると考えます。「国民文化祭の成果を継承、発展させる」という基金創設の当初の目的は、10年が経過しようとしている今、新たな段階へ進むべきではないでしょうか。

そこで伺います。

知事は昨日、この基金について、「例えば、県予算の審議を念頭に基金の事業計画を案の段階で議会に示すなど、必要な方策をより検討を深める」と答弁されました。

私は、「文化立県とくしま推進基金」は廃止し、これまでの運用の実態を明らかにしたうえで、県に返納させ、推進基金が担ってきた事業は、毎年の政策的経費として予算計上するのが妥当と考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。                       

 

3.東署移転問題

次に、德島東警察署移転問題でおたずねします。

「テロ等準備罪」いわゆる共謀罪が15日に強行採決されました。共謀罪は内心を処罰対象とするため、警察の市民生活への介入、表現や結社の自由への侵害が危惧されますが、こんなときに、警察の活動をチェックする立場の裁判所とチェックされる警察署とが同一敷地内へ建っていたら、県民の不安を増大させるばかりです。

一昨年6月議会で知事は、徳島東署を裁判所跡地へ移転すると突然発表しましたが、「東警察署庁舎整備基本構想」によると、現在の庁舎は敷地が狭く、駐車場不足、緊急自動車の出動への支障等々の問題を改善、解決するための新庁舎整備だとしています。ところが、裁判所跡地は現状よりさらに1000㎡も狭く、国道192号線と11号線の結節点で、四国で一番交通混雑し事故も多い所です。緊急車両が迅速・円滑に出動出来るのか疑問です。

そもそも警察署の位置について定めた警察法施行令第五条第2項では、「警察署の位置は、管轄区域内の住民の利用に最も便利であるように、他の官公署との連絡、交通、通信その他の事情を参しやくして決定すること」とされています。建て替え用地を、この法の主旨に従って決定したとはとても思えません。

また、徳島東署を、「県都徳島のランドマークとなるような外観」にするとしていますが、ときに県民の自由や権利を制限・抑圧する警察の高層ビルがランドマークとしてふさわしいといえるでしょうか。

裁判所跡地のすぐ横は、德島城公園で、県民の憩いの場です。徳島県の顔ともいえる地区ですから、自然と歴史・文化が生きる、德島県民の誇りとなるような景観づくりが望まれます。裁判所跡地は、鷲の門広場と一体化させて中央緑地ゾーンとして整備することを望むものです。

また、裁判所跡地以外の建て替え用地として、県立聾学校跡地や、寺島公園など、県有地で、現在より敷地も広くなる提案が、県民から示されています。こうした声に真摯に向き合うべきです。

そこでお尋ねします。

県民にとって最適地かどうか、県都とくしまの景観をどうするのかも含めて、広く県民の意見を聞いて決めるべきではありませんか。

                            

4.受動喫煙防止対策について

最後に、受動喫煙防止対策についてお聞きします。

喫煙による健康被害はもとより、他人のタバコの煙を吸い込む受動喫煙も、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、虚血性心疾患、脳卒中、SIDS(乳幼児突然死症候群)など数多くの疾患につながることが明らかになっています。

徳島県は、タバコの害による疾患として注目されているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)による男性の死亡率が2015年、全国最悪となるなど、深刻な状況です。しかも、四国4県で唯一、県庁所在地で歩きタバコ禁止条例がない県となっています。全国と比べても対策の遅れは明らかです。

県庁は、庁舎内禁煙で、職員も来聴者も喫煙室以外でタバコを吸うことは禁止されていますが、議会棟だけは会派の控室での喫煙が許されています。

部屋の隅で喫煙する、窓を開けて風通しを良くするなどは、受動喫煙防止対策としては、まったく無意味です。

議会棟でも未成年の職員が働いています。受動喫煙防止の点からも働きやすい職場環境づくりからも問題ですし、議員特権とも執られかねない状況は早急に改める必要があるということを指摘しておきたいと思います。

高齢化による医療費増大が問題視されていますが、タバコによる健康被害を防ぐことは、健康寿命を伸ばし、増大する医療費の抑制にもつながります。

対策の基準は、まずは、望まない受動喫煙を禁止することです。

そこでお聞きします。

県は、受動喫煙防止のために、いつまでに、どのような対策をとるのでしょうか。お答え下さい。

 

11月定例会 一般質問 質問&答弁

徳島県議会11月議会での日本共産党の一般質問全文を掲載します。

今回は、達田良子県議が質問を行いました。

質問、答弁とも達田県議のブログから引用しています。(理事者の答弁は、音声記録をもとに文章にしたもので、正式なものではありません。)

尚、徳島県議会のホームページ(http://www.pref.tokushima.jp/)の議員紹介のコーナーに、当日の動画が掲載されています。

 

徳島県議会11月定例会 一般質問       2016年12月2日

日本共産党 達田良子  h27-tatuta1

介護保険制度について
《達田》 政府は、2015年骨太の方針で、「軽度者に対する生活援助サービス・福祉用具貸与等やその他の給付について、給付の見直しや地域支援事業への移行を含め検討を行う」こととされ、社会保障審議会の介護保険部会において議論がされています。
この中で、要介護1,2の生活援助や通所介護を保険給付から外すことを検討してきましたが、反対世論におされて、今回は見送りました。
しかし、審議会の議論は、介護保険の保険料負担の拡大、介護サービスの制限という方向ですすめられており、徳島県民にとっても深刻な影響を与えるものであり、何としても改悪は押しとどめなければならないと考えます。

すでに、要支援1,2の訪問介護・通所介護は、地域支援事業に移行し、現在は猶予中ですが、来年4月からは、保険給付からはずれ、すべての市町村に移行することになっています。
訪問介護や通所介護は、利用者の心身の状況に応じて、軽度の段階から、適切なサービスを利用することによって、重度化を防ぎ、ご本人の自立を支援する大変重要な事業だと思います。しかし、すべての自治体で、これまでと同様の水準のサービスが受けられるのか心配されます。

そこで、お尋ねします。
市町村のとりくみ状況と、介護サービス水準の低下をきたさない対策をどのようにお考えでしょうか。

《答弁 吉田保険福祉部長》  平成26年の介護保険法の改正により、それまで全国一律の基準でサービスが提供されてきた要支援者に対する介護予防の訪問介護と通所介護が、市町村の創意工夫で、多様なサービスの提供が可能となる地域支援事業に、平成29年4月を期限として、順次移行されることになりました。
新たな制度でも、適切な介護予防サービスが提供されるようにこれまでと同様に地域包括支援センターにおいて、利用者のニーズに合ったケアプランを作成し、必要な介護予防サービスを必要とする方は、従来通り、必要な身体開土や生活援助を受けることができます。
これらに加えて、新たな制度では、比較的自立度の高い生活を維持できている方には、一定の研修を受講した地域住民などによる生活援助を、従来より軽い費用負担で受けられるようにするなど、高齢者の容態に応じた、多様なサービス提供を可能とすることにより、地域の支え合い体制づくりを強化しています。
現在、県内では鳴門市や神山町など6市町村において、地域支援事業への移行が完了し、特に、鳴門市においては、シルバー人材センター、NPOなど多様な主体による多様なサービスの提供が始まっており、また、神山町では、住民主体の通所型サービスの提供が開始されるなど、地域資源を活かした取り組みが展開されているところです。
今後移行する18市町においても、それぞれ移行後に提供するサービス類型検討を進めるとともに、住民や事業社に対して、地域支援事業への移行に関する説明会を適宜開催するなど、移行に向け、現状把握と意見交換を行うための全市町村訪問の実施、関係職員のスキルアップを目的とした研修会の開催、先行事例の横展開を図る意見交換会の開催、地域医療介護総合確保基金を活用した生活支援の担い手養成に向けた研修の実施など、市町村支援に継続的に取り組んできたところです。
今後とも、地域支援事業への移行、そして、移行後の円滑な事業実施に向けて、県として、市町村への積極的な支援を展開することで、介護を必要とする高齢者の方々が、適切にサービスを受けられるよう、しっかりと、取り組んで参ります。

《達田》  もう一点は、介護を担う人材確保の問題です。介護現場での人材の必要性は益々高まっていますが、せっかく介護業界へ就職しても、低すぎる賃金と長時間労働、サービス残業のまん延、福祉への初心を生かせない労働環境など劣悪な処遇のために、介護現場は深刻な人手不足におちいっています。
全国では、1年間で介護業界に就職する人は約30万人、うち離職者は1年間で22万人に上り、うち約13万人が他業種へ代わっているそうです。離職者の勤務年数3年未満の人が全体の7割、一年未満が4割ということです。徳島県の介護業界の離職率の状況は全国より少し高い7割台です。
先日、私が見学させていただいたデイサービスセンターでも、「若い人が意欲を持って入ってきてくれても、長続きしないのが悩みの種だ。賃金を上げたくても経営がぎりぎりで出来ない。これ以上介護報酬引き下げされたら本当に困ります。」と、深刻な状況を話していただきました。
介護人材の確保は、待ったなしの課題ではないでしょうか。
そこでお尋ねします。
国に対して介護人材確保のため、報酬の引き上げ、労働条件・環境の改善など抜本的な処遇改善を求めることはもちろんですが、県独自の取り組みについて伺います。

《答弁 吉田保健福祉部長》  全国平均を上回る早さで高齢化が進む中、本県が高齢者人口がピークを迎える2020年に向けて、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる地域包括ケアシステムを構築するため、介護人材の確保は喫緊の課題と認識しております。
本県は、これまでも、国に対し、介護職員の処遇改善の更なる充実について、政策提言を継続的に実施しており、平成26年度には、介護職員の賃金アップにつながる処遇改善加算制度の維持を提言した結果、平成27年度の介護報酬改定においては、全体がマイナス改定となる中、処遇改善加算については、制度の維持に加え、月額1万2千円相当の額の拡充が図られたところであります。
さらに、国においては、平成29年度の介護報酬改定に向けて、事業所が、昇給と結びつけたキャリアアップの仕組みを構築した場合における、新たな加算として、月額平均1万円相当の改善が検討されているところです。
また、本年5月と11月には、人手不足分野である介護現場において、将来の介護人材の確保につながる現役職員の負担軽減を図り、現役職員が、本来の役割である専門的な介護に専念することができる環境を整えるため、就労意欲のある元気高齢者の活躍による世代間の介護シェアの実現に向けた規制緩和、介護職員の肉体的な負担軽減につながる介護ロボットの導入に対する幅広い支援について、政策提言を行ったところです。
さらに、昨日、寺井議員のご質問に表明したとおり、本格的な人口減少・超高齢社会を迎え地域社会の担い手不足が深刻になる中、就労意欲のある元気高齢者の潜在的な力を社会全体で活かしていく取り組みが求められることから、現役職員と元気高齢者との業務シェアにより介護現場における働き方の価値観を転換する徳島県版介護助手制度を新たに創設し、関係機関と連携を図り、本県独自の取り組みとして、来年度から展開していきたいと考えております。
今後とも、県といたしましては、あらゆる機会を通じ、介護職員処遇改善加算の周知を図り、さらに、地域医療介護総合確保基金を活用した介護人材の育成・確保の取り組みを一層充実させるとともに、国に対する政策提言を効果的に実施することで、介護職員の人材確保に向け、関係機関と連携し、しっかりと取り組んでまいります。

子どもの貧困対策について
《達田》  貧困と格差が拡大する中、子どもの貧困が社会問題となっています。
「子どもの貧困対策法」では、都道府県が「子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努める」とされています。
徳島県も一応、計画策定済みと国に報告していますが、子育てに関する総合計画の一部という位置付けです。子どもの貧困を正面から打開しようというものではありません。

内閣府が公表した、今年5月時点における都道府県の計画策定状況によれば子育て総合計画の一部に留まっているのは、18都府県、多くが、子どもの貧困対策についての単独計画を策定しています。
しかも、本県の場合、実態調査をしていません。計画は机上のものでしかなく、魂のこもった計画ではありません。

国は、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」のなかで、地方公共団体の責務として、「子どもの貧困対策に関し、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」としています。
当該地域の状況を把握するためには、実態調査が欠かせません。実態調査を行ってはじめて、有効な施策がとれます。国も、実態調査への助成を中心とした「地域子供の未来応援交付金」を設けています。
ところが、徳島県は、県も含め、どの自治体も、この交付金の申請をしていません。なぜ、申請がないのか、委員会で質問が出ましたが、県は、「実施主体は市町村なので、手が上がるのを待っているが、実態調査にまで手が回らない実情があるのではないか。」と驚くべき答弁をしました。
「手が回らないから実態調査をしない」というようなことでいいのでしょうか。

この交付金は、県が実施する実態調査にも使えます。実際、お隣の香川県では、県の「こどもの貧困対策推進計画をすすめるにあたり、より効果的な支援のあり方について検討するため」として、この交付金を使って、実態調査を行っています。知事の姿勢が問われる問題です。

10月20日の参議院・内閣委員会では、加藤・特命担当大臣が、この交付金の弾力運用にしっかり取り組んでいくことも表明しました。

そこで、伺います。
子どもの貧困問題について、県として実態調査を行い、数値目標も示した計画を策定すべきではありませんか。

《答弁 田尾県民環境部長》  次代を担う全ての子どもが、将来に夢と希望を持って成長できるよう、子どもたちの経済的格差を解消し、貧困の連鎖を断ち切ることは、極めて重要であると認識しております。
国がまとめた国民生活基礎調査におきましては、平成24年の子どもの貧困率は、16.3%、ひとり親世帯の貧困率は、54.6%と、とりわけ、ひとり親世帯の経済状況は、非常に厳しくなっております。
県におきましても、平成26年8月に、1800世帯のひとり親家庭等を対象に実態調査を実施し、世帯の状況や収入の状況などについて把握に努めたところであります。
これらの調査結果を踏まえ、平成27年3月には、国の子どもの貧困対策に関する大綱を勘案した「第2期德島はぐくみプラン」及び「徳島県ひとり親家庭等自立促進計画」を策定いたしました。
これらの計画においては、母子父子自立支援プログラムを活用した就職の件数をはじめとした数値目標を掲げ、「母子父子自立支援プログラム策定事業」「ひとり親家庭自立支援給付金事業」などの就労の支援のほか、修学・学習支援、生活支援、経済的支援を柱として、総合的に事業を推進しているところであります。
さらに、本年度は、新たに、児童養護施設等で育った児童に対する支援として、進学・生活支援のための自立支援金貸付事業の創設や、児童養護施設における児童自立支援相談員の配置を国に政策提言するなど、子どもの貧困に対する取り組みを進めているところであります。
今後は、現在、国において実施されている国民生活基礎調査や全国ひとり親世帯等調査の調査結果等を踏まえながら、時宜を得た施策を実施することとし、子どもたちが、大きな夢を紡ぐことができる德島の実現に向けて、子どもの貧困対策にしっかりと取り組んで参ります。

《達田》  子どもの貧困問題は、貧困と格差の拡大がおおもとにあります。
日本は、稼働所得の割合、つまり賃金依存率がヨーロッパなどと比べて大きいのが特徴です。社会保障制度が貧弱なために、非正規雇用の増大や低賃金がそのまま貧困につながる構造になっています。

厚生労働省の所得再分配調査をもとに、1990年と直近の2014年を比較すると、貧困化の実態がわかります。
当初所得では、400万~500万円の中間所得層が約半分に減り、所得100万円未満の層が2倍以上に増えています。
また、再分配所得では、300万~400万円が一番多い層でしたが、これが、200万~300万円が一番多い層になり、100万円も下がっています。
つまり、この四半世紀の間に、貧困が広がり、社会保障制度の機能も弱まっているのです。

子どもの貧困問題を解決するには、抜本的には所得の引き上げ、税制や社会保障制度の見直しが必要です。
しかし、同時に、県として、すぐにでも取り組めることがあります。広い意味で社会保障の機能を強化することです。

なかでも大切なのは、健康と食の保障です。
そこで、子どもの医療費助成の拡充と学校給食費助成について提案します。

県下の市町村では、今年の7月時点で、中学校卒業まで医療費無料が12市町、18歳まで無料が8市町村となっています。最大の人口を抱える徳島市も、来年度から中学校卒業まで拡大する予定です。
つまり、来年度、小学校卒業までという自治体は、わずか3市町となります。所得制限を設けている自治体も一部ありますが、8割をこえる県民が、中学校卒業まで医療費無料の自治体で暮らすことになります。

県は、「市町村の負担になるから医療費助成の拡充は難しい」と言ってきましたが、もうそういう状況ではなくなっています。

そこでお尋ねします。
県として、中学校卒業まで、子どもの医療費無料化を拡充する時期に来ているのではありませんか

《答弁 吉田保健福祉部長》  乳幼児をはじめとする子どもの医療費の自己負担分に対する助成につきましては、子どもの疾病の早期発見、早期治療及び病児を抱える保護者の経済的負担の軽減を図るため、地方単独事業として全国で実施されており、本県においては、市町村が実施主体となり、県は、その費用の一部について、2分の1を負担しているところであります。
また、本県では、昭和48年に、ゼロ歳児の入院及び通院に対する医療費助成制度を導入して以降、実施主体である市町村の意向などを踏まえながら、これまで制度の拡充を図って参りました。
平成18年10月からは、入院・通院とも7歳未満児に拡大し、平成21年11月には、小学3年終了まで、さらに、平成24年10月には、名称を「子どもはぐくみ医療費助成制度」とし、対象年齢を現在の小学校修了までに拡大することにより、入院・通院とも全国トップクラスの制度としたところであります。
平成27年における本制度の利用件数は、入院・通院を合わせ、約111万件と、対象年齢を小学校修了までに拡大する前の平成23年度と比べ、約7万件増加しており、現在では、少子化対策のみならず、子どもの貧困対策や、負担感が増大しているとも言われる子育て世帯の経済的負担の軽減策として、多くの皆様に、ご利用いただいております。
なお、少子化が進む本県において、子育て支援の充実は、喫緊の課題であり、平成27年3月に、第2期德島はぐくみプランを策定し、2025年の希望出生率1.8を目指して、結婚・妊娠・出産、子育ての切れ目のない支援を強力に展開しております。
なかでも、待機児童の早期解消に向けた保育所整備の推進や、認定こども園の設置促進などについては、さらに充実させていくべき施策と考えております。
また、全国知事会としても、少子化対策は、国家的課題であるとの観点から、子どもの医療費助成に係る国民健康保険国庫負担金の減額調整措置廃止や国の責任における全国一律の制度の創設について、要望してきたところであり、その結果、減額調整措置については、現在、国において、見直しに向けた検討がなされているところであります。
議員お話の視点、さらには、実施主体であり、拡大すれば財政的負担が増えることとなる市町村の意向も十分に踏まえながら、判断していくべきものと考えております。
今後とも、市町村との緊密な連携のもと、安心して子どもを生み育てられる德島の実現に向け、しっかりと取り組んで参ります。

《達田》  子どもの貧困問題で、この間、焦点になっているのが、食の問題です。
親が仕事をいくつも掛け持ちして忙しい上に、所得が低く、まともな食事を用意できない、学校給食が唯一まともな食事、といった子どもたちが増え、深刻な状況になっています。

学校給食法では、「学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するもの」とし、その普及充実を図ることを定めています。
ところが、学校給食の食材費は自己負担とされています。例えば徳島市の場合、一ヶ月の給食実施日が20日として、小学校で5480円、中学校で6360円が必要です。子どもが小・中と二人いれば1万1千840円になります。子育て世帯にとって、この給食費の負担がなかなか大変なのです。

こうした子ども達を支援しようと、学校給食の無償化を実施している自治体は、自治労学校事務協議会の2016年学校給食費関連調査報告によれば、全国で501あり、本県では、北島町、板野町、上板町、神山町、上勝町、東みよし町の6町が実施しています。
子どもの医療費も給食費も無料の県となれば、若い子育て世代に選んでもらえる県になることは間違いないと考えます。

そこでお尋ねします。
県下すべての市町村で給食費の無償化が実現できるよう、県が支援すべきではありませんか。

《答弁 美馬教育長》 学校給食は、成長期にある子どもたちが、適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること、日常生活における食に関する正しい理解を深めること、健全な食生活を営むための適切な判断力を培うことなどを目的として実施しており、食事を通して好ましい人間関係を築くためにも、学校給食の充実と普及を図ることは、県教育委員会といたしまして、大変重要であると考えております。
また、国におきましても、学校給食は、学校における教育目標を実現するための重要な役割を果たすものであると考えられており、本県では、学校における食育を推進する上で、高い教育的な効果を期待できる生きた教材として、積極的な活用をすすめているところでございます。
学校給食の実施に要する経費については、学校給食法第11条において、学校給食の実施に必要な施設・設備に要する経費や学校給食に従事する職員に要する人件費などについては、義務教育諸学校の設置者である県や市町村が負担する、食材費など、それ以外の経費については、保護者が負担すると定められております。
このため、食材費等につきましては、保護者に学校給食費として、負担いただいておりますが、経済的理由により修学が困難であると認定された児童生徒の保護者に対しては、国・県・市町村による学校給食費について支援する修学援助の制度が設けられております。
本県では、すべての市町村が、こうした就学援助の制度などを活用して、経済的理由により就学が困難であると認定された保護者が負担する学校給食費について、全額補助を行い、経済的な負担がかからないようにし、子どもたちへの安定的な学校給食の提供につなげております。
学校給食は、子どもたちの心身の健全な発達と食べ物の大切さや生産者への感謝の心をはぐくむことなどに重要な役割を果たすものであり、県教育委員会といたしましては、引き続き、国や市町村と連携しながら、栄養バランスがとれ、安全で安心な食材を利用した学校給食の提供に努めるとともに、より一層の充実を図るため、しっかりと取り組んで参ります。

*************************

再質問

介護保険制度について
《達田》  それぞれ答弁いただきましたが、介護保険制度について知事に伺います。
先ほども述べたように、厚生労働省は要介護1,2の「軽度者」の利用料の負担増などを提案し、来年の通常国会への法案提出を目指しているということです。
要介護1,2の方というのは、家にとじこもりがちになる時期です。この時期に適切で専門的な介護サービスを受ければ、生活に張りも出て意欲が出てきますが、サービスを使いにくくすれば、要介護3以上の中重度者が増えてしまうことが懸念されます。
利用が減って 介護保険の財政は一時的に支出が抑えられるかも知れませんが、長い目で見れば重度化が進み、財政を圧迫することになりかねません。
昨年の介護保険制度の改悪で、特別養護老人ホームの入所は、特別な場合を除き、要介護3以上に限られました。国は「施設から在宅へ」といいますが、支える家族に重い負担がかかり、介護離職が増えることが懸念されます。
また介護事業所への報酬単価が引き下げられ、経営が成り立たず、廃止せざるを得ない事業所が少なくありません。
利用者の負担を増やし、施設の経営が立ちゆかなくなるようでは、制度は持続しません。
そもそも介護保険の理念は、要介護度が軽いうちに、専門的な介護を受けて、介護予防するというもののはずです。
知事は、日頃から「健康寿命を伸ばすことが大切です。」とおっしゃっていますが、私もその通りだと思います。

そこでお尋ねします。
専門的で適切なサービスを軽度の段階で安心して利用できることの重要性を知事はどのように認識されていますか。
また、介護保険の改悪に対して、国に対し、見送りではなく、きっぱり中止するよう求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

《答弁 吉田保険福祉部長》 国は3年に一度制度改正をおこなってきていますけれども、サービスの提供方法の見直しは、行われているものの、高齢者の多様なニーズに対応したサービスが提供されているということに変わりはございません。これまでの本県の高齢者の方々の現状をふまえ、必要の都度、国に対し提言を行ってきたところは先ほど答弁申し上げたところでございます。
今後とも、国の議論の動向をしっかりと注視してまいりたいと考えております。

徳島東警察署移転問題について
《達田》  老朽化した東署の建て替えの必要性については、私も十分承知しております。しかし、問題は、移転先を裁判所跡地に決定した過程の不透明さです。

昨年3月、東警察署庁舎整備基本構想」がまとまりました。その検討過程で、裁判所跡地は候補として上がっておらず、用地としての適性が全く比較検討されていません。
にもかかわらず、昨年6月議会で突如、知事が「裁判所跡地に決定した」と表明したのです。

昨年2月に、財務局から県に裁判所跡地利用について照会があり、昨年6月上旬に東署の移転先として決定したということですが、その決定過程は闇の中です。
いつ、だれが、どこで、どんな検討をしたのか、確認したところ、文書も存在していません。まるで、德島版「豊洲市場」ではないですか。

「基本構想」策定にあたっては、東警察署に求められる立地条件などについて、若手職員をはじめ、県警察全職員を対象にアンケート調査を行っています。
「留置施設の整備、公用車駐車場の整備、十分な数の来庁者用駐車場の整備、広い敷地の確保など」が必要という意見が多かったのに、裁判所跡地では、今より1000平米も狭くなります。

「基本構想」がまとまった当時、県警本部長は、「若手職員の意見もしっかり尊重し、大変良いものが出来た」と述べています。裁判所跡地に決定したことは、職員の意見を全く無視していることになるではありませんか。

この問題で弁護士会からは、「治安維持や犯人検挙は、警察の役割、裁判所はそれに誤りがないか、行き過ぎがないかをチェックする役割を担っている。裁判所庁舎と警察庁舎が同じ敷地内で隣接していると、市民から裁判所の公正さや警察からの独立性に疑念が持たれ、ひいては両者の緊張関係がゆるんでしまう」と指摘されています。
重要な指摘だと思います。県民の基本的人権が脅かされる恐れのある危険な事態です。

県警は、「山梨県警は同じ敷地にあるが問題がない」といいます。しかし、山梨県警は、戦前の昭和3年からそこにあったもので、最近、裁判所の隣に建て替えたのではなく、前例にはあたりません。
私は、東警察署の裁判所跡地への移転計画は撤回し、再検討すべきと考えます。

そこで伺います。
裁判所跡地は、いったい、誰が、いつ、どこで、どんな検討をして決定したのですか。答弁を求めます。

《答弁 鈴木県警本部長》 德島東警察署は、県都徳島市の治安・災害対策を担う県下最大の警察署でありますが、庁舎は、建築から45年が経過し、老朽・狭隘化が著しく、十分な耐震性も備えていないことから、平時の「治安維持」機能はもとより、南海トラフ巨大地震等における「災害警備」にも支障が生じる可能性が高く、早急な整備が必要であると認識しております。
これまで、県警察におきましては、「有識者会議」からの提言を頂くほか「他県警察庁舎の視察」等による調査・研究を進め、平成27年3月には、新庁舎整備の土台となる「德島東警察署庁舎整備基本構想」をとりまとめたところであります。
新庁舎の整備場所については、24時間活動する警察署の機能を維持しながら、現地で建て替えることは困難である等の理由から、いくつかの移転候補地をあげて、検討を進めてきたところであります。
もとより、德島東警察署の移転場所は、治安対策等の観点から、現在地周辺が理想であると認識していたところであり、德島地方裁判所の新庁舎整備に伴い、余剰地のその後の方針も不明であったことから、県有地を中心に検討を進めていたものであります。
昨年2月に四国財務局から「德島地方裁判所跡地」の取得要望の照会を受け、事件・事故の発生が多いJR德島駅や秋田町等の歓楽街に的確に対応ができること、主要幹線道路の沿線にあり、緊急事案に的確に対応できることなど、治安や防災機能を最大限発揮できる場所であることから、県警察においては「移転場所として最適地である」と本部長以下の総意をもって判断し、決定したものであります。
德島東警察署の新庁舎の早期整備は、県民からも強く望まれているものと認識しており、県警察といたしましても、喫緊の課題として、着実に事業を進めて参ります。

原発問題について
《達田》  国と四国電力は、九州川内原発に続き、伊方原発3号機を、多くの反対の声を押し切って再稼働させました。
東日本大震災での東京電力福島第一原発事故の原因究明も、事故の収束に向けた対応も全くできておらず、いまだ東日本の被災地で13万7千人もの方々が、うち福島県の方は約9万人が避難したままという状況です。原発事故の教訓が全く生かされず、避難計画も安全対策も不十分、再稼働を急ぐべきでないと各方面から懸念の声があがる中、国と四国電力は、伊方原発再稼働ありきで突き進んできました。怒りを込めて抗議するものです。

さて、東日本大震災、今年4月の熊本・大分、10月の鳥取、11月の福島沖と、日本列島で、地震が続いています。そのたびに、原発のない德島県民の間でも、「近くに原発はないのだろうか?」と心配の声があがります。
特に先日のマグニチュード7.4の福島沖地震では、津波警報も出され、実際に川を逆流する津波の映像がTV画面に映し出されました。この地震で、東京電力福島第二原発で、3号機の燃料プール冷却システムが停止したというニュースを聞いて、日本中で、また世界で、5年前の東日本大震災の再来かと心配されました。
まもなく正常に戻ったそうですが、日本中で、多くの方々が、「原発は止めてもらいたい。原発がなくても電気は足りているじゃないか。」という思いをますます強くされているのではないでしょうか。
伊方原発は、すぐ近くを日本有数の活断層である中央構造線断層帯が走り、巨大地震の震源となる南海トラフも近く、地震の危険が高い原発の一つです。
また伊方原発3号機は、核燃料サイクルの一環として、使用済み核燃料を再処理して取り出したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用しています。含まれるプルトニウムは微量ですが、ウランの約1万倍の中性子を放射する猛毒です。
過酷事故により、瀬戸内海の隅々に放射性物質が拡散され、西日本のほぼ全域が核汚染される危険すらあります。政府が避難計画の策定を義務づけた30キロ圏内の自治体に被害がとどまらないことはあきらかです。

日本各地で、原発はいらない、もっと再生可能エネルギーを増やしてもらいたいという願いが大きくたかまっています。
その願いの象徴として、鹿児島県でも新潟県でも、市民の力で「脱原発」の知事を誕生させるという流れとなっています。

そこで知事にお尋ねします。
各地で地震が頻発し、原発に対する県民の不安が益々大きくなっている今、知事は伊方原発の再稼働中止を求めるべきではないでしょうか。

《答弁 飯泉知事》  四国電力伊方原発3号機について、立地県である愛媛県は、国の基準を上回る1000ガルの耐震性確保をはじめとする四国電力の取り組み姿勢、万一の事故に、国が最終的な責任を持つという総理の発言に見られる国の考え方、伊方町をはじめとする周辺自治体や愛媛県議会といった地元の理解など、あらゆる条件を租借、熟慮9した結果、再稼働に同意するとの判断を昨年10月26日に示し、本年9月7日より、通常運転が開始されているところであります。
また、原子力規制委員会の世界最高水準とも言われる新規制基準の審査項目には、地震動や津波の評価も含まれており、四国電力は、想定外をなくすため、国からも指摘がありました中央構造線断層帯と、別府ーはねやま断層帯をあわせた全長480㎞が連動するケースに加え、津波についても地震津波と地滑りに伴う津波が重なる最も厳しいケースを想定し、基準地震動650ガル及び津波高8.12mと推定しております。
この推定値に対し、四国電力では、195の重要施設については、1000ガルの耐震性確保、さらには敷地高海抜10mに加え、約14mまでの津波に対応する水密扉の設置など、更なる対策により、原子力規制委員会の審査をクリアし、再稼働に至ったと聞いております。
今後とも、世界最高水準の安全基準に基づく安全性の確保を前提とし、常に最新の知見を踏まえるとともに、規制基準のバックフィットの考えを取り入れるなど、国や四国電力が責任を持って安全対策に万全を期していただきたいと考えております。
また、県としましては、立地県である愛媛県の再稼働同意の判断を尊重するとともに、事務局の愛媛県と、本県を含む周辺6県で構成する伊方発電所原子力防災広域連携推進協議会において、原子力防災に関する情報交換や連絡通報体制、訓練での連携などを協議・具体化することにより、愛媛県を引き続きサポートするとともに、県民の安全・安心の確保向上にしっかりと取り組んで参ります。

地方公共交通網の整備について
《達田》  県民のくらしの足を確保し、地域を再生するためには、地域公共交通網の整備が不可欠です。

2014年11月に、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が改正され、複数の市町村にまたがる地域公共交通ネットワークは、都道府県が「主体的に取り組むよう努めなければならない」と定められました。
同法に基づく基本方針では、都道府県の役割として、財政的支援、人材支援、情報提供などを講じるよう求めています。

法改正以降、今年の9月までに、全国で186件の地域公共交通網形成計画が策定され、奈良県や鳥取県では県も参画しています。今後、本県の小松島市やつるぎ町を含め、全国120団体が、検討を行う予定とされています。

人口減少が進むもとで、句は、コンパクトなまちづくりと連携して、地域公共交通ネットワークを確保することが重要としています。
この、コンパクトシティー化に対して、知事は「長年皆さん方が築いてきた所を簡単に放棄していいということではないのではないか」と指摘されましたが、私も同感です。

住み慣れた地域で安心して住み続けるためには、地域公共交通網の整備が不可欠です。これは、地域を持続可能とするインフラであり、地方創生のカナメです。
観光面でも、宿泊人数が全国最下位の状況がずっと続いてきたことの一因に、地域公共交通の脆弱さがあります。

そこで伺います。
県民のくらしを支え、地域再生・まちづくり・観光振興のためにも市町村と連携し、持続可能な地域公共交通網の形成計画を策定すべきではありませんか。

《答弁 原県土整備部長》  路線バスや鉄道など、地域の公共交通機関を取り巻く環境は、モータリーゼーションの進展や人口減少などの影響により、大変厳しい状況となっております。
このため、県においては、市町村が自らの地域の生活交通のあり方を審議する場、地域公共交通会議に積極的に参画し、地域住民の皆様と共に検討を行い、地域の実情に応じた生活交通の維持・確保を図っております。
こうした中、平成26年度に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正され、市町村や交通事業者が行う持続可能な地域公共交通網の形成に資する取り組みを、より広域的な見地から支援できるよう、これまで市町村のみ策定することができるとされた地域公共交通網形成計画について、県も共同して策定することができるようになったところです。
そこで、これを契機として、県といたしましては、今年3月、県や、地域の生活交通の実情をよく知る市町村、バス事業者等で構成する徳島県生活交通協議会のもと、既存バス路線の運行系統や、地域公共交通体系を踏まえた6つのワーキング部会を設置し、まずは、それぞれの部会ごとに、路線バスの現状分析や利用促進策について、検討を始めております。
これまでに開催dしたワーキング部会では、広域移動を担う幹線バスと、市町村の域内移動を担う地域バスとの接続改善や、地域の中核病院や大規模商業施設への乗り入れ、国の赤字バス路線への補助金に関する要件緩和などについて、意見交換がなされたところであります。
今後とも、このワーキング部会を活用したバス路線の検証はもとより、人口減少社会にふさわしい持続可能な交通体系をどのように形成していくのかを、しっかりと検討していくとともに、地域の実情に合った支援制度の創設や規制緩和について、国に政策提言を行うなど、創意工夫を凝らし、市町村や関係機関とともに、地方創生を支える基盤とも言うべき地域公共交通の維持・確保に取り組んで参ります。

原発問題について《再質問》
《達田》 それぞれお答えいただきましたので、あと1点お尋ねいたします。
知事は、原発はやめてもらいたいと願う多くの県民の声に応えていただきたいと思います。
先ほど地震の話が出ましたけれども、中央構造線で、地震がおきるのは、ほとんどないだろうという学者の先生もいらっしゃれば、また、高知大学の岡村教授のように、「今の科学では地震を起こす震源断層をとらえることは出来ない。東日本大震災の反省にたって、想定外の地震に備えるべきだ。」こういう警鐘を鳴らして、伊方原発は「千ガルの揺れにも対応できるというけれども、千ガルでは足りない、二千ガルはみなければ」と訴えておられるということです。
私は、災害に対応するというのは、最も最悪の事態に備えることが大切ではないかと思います。伊方原発に限らず、地震列島のどこにも原発を建てていい場所などはないと思います。
ところで、原発はやめられないという日本の状況ですけれども、国は、2030年の電源構成の形を示した「長期エネルギー需給見通し」を示しておりますが、原発、石炭火力、水力などをベースロード電源として優先的に活用するとしています。
そして、2030年に原発は、発電電力量で20から23%占めるとしています。これは、今止まっている原発を次々と再稼働させるということで、運転開始から40年以上経った老朽原発も動かさないと達成できない数字です。
四国電力は2022年に40年の運転期限を迎える伊方原発2号機まで60年運転が出来るようにしよう、こんな考えを示していますが、国の方針に則ったものだと思います。
今求められるのは、危ない原発の再稼働ではなく、デンマークやドイツのような自然と共存できる再生可能エネルギーを中心にした社会に転換していくことではないでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
国のエネルギー政策の目標にとらわれることなく、原発ゼロを前提にした県のエネルギー計画を策定するべきではないか、お尋ねいたします。

《答弁 飯泉知事》国のエネルギー政策、特に原発ゼロ、こうしたものを前提とする県のエネルギー政策をとるべきでないか、ご質問をいただいております。
私も、まさに達田議員のおっしゃる通り、我々としても原発ゼロ、これを将来的にしっかりと俯瞰するかたちで自然エネルギー、その普及率を高くする、あるいは、地球温暖化対策、特に今マラケシュでCOP22、そして今世紀半ば地球温暖化ガス排出実質ゼロを目指していく国が脱炭素社会に向かってまさに歴史的な一歩を踏み出したところであります。
こうしたことから、県としてはまず国に求めるだけではなく、まず  より始めようということで、まず2030年の電源、自然エネルギー37%、さらには、温室効果ガス排出、2013年対比、こちらを40%削減という形の目標をかかげ、しかも、ただ単にベースロード電源、あるいは自然エネルギー発電というだけでは、なかなか自然エネルギ-、難しい点がまだまだ技術的にもあるわけですので、吸収源対策、こいちらを、森林分を13.6%、入れている所でありまして、様々な工夫そして今ある技術、そして将来展望できる技術、こうしたものをかみ合わせる形で、日本最先端、そうした形を今打ち出しているところであります。っている
もとより徳島県は34道府県、そして200を超える企業が集まっている「自然エネルギ-協会」会長県でもありまして、その意味でも、我々としては国のエネルギー政策に対し、まずは2020年自然エネルギー導入20という意欲的な目標を持つべきだと、さらには、2030年は30%以上持つべきだ、こうした提言を行ってきたところ、ベースロード電源、これに対して、国がなかなか膝を〇〇〇〇 ことが出来なかったわけではありますが、しかし、まず2030年については22~24へと、これは経済産業省の数値ではありますが、しかし環境省においては2030年で30%以上と、こうした数値も意欲的に出してきたところであり、我々としてはさらにこれをあげていく、これはとりもなおさず今お話のある原子力発電のあり方について、国についても大変悩んでいるとして国民の皆様方の多くの声をいただく、そうした中で何とか日本全体のエネルギー需要、これに見合う形で、しかし、将来的にはみな原発ゼロを目指していく、こうした方向性については、国も地方も国民の皆さん方も一致しているものとこのように考えるところでありまして、自然エネルギー協議会会長といたしまして、しっかりとこうした方向を推し進めるとともに、さらに意欲的な政策提言を行ってまいりたいと考えております。
 

 

合区解消と憲法改正  徳島県議会9月定例会 日本共産党県議団の討論 その4

10月24日の県議会閉会日での、県議団の意見書に対する反対討論を掲載します。

◆ 議第4号「参議院選挙における合区の解消と憲法についての国民的議論の喚起を求める意見書」に対する反対討論

2016年10月24日   上村恭子

私は、日本共産党を代表して、議第4号、「参議院選挙における合区の解消と憲法についての国民的議論の喚起を求める意見書」に反対の立場で討論いたします。

本意見書案は、参議院選挙の合区解消と現行憲法の改正についての議論を促進することを求めるという2つの論点を含むものとなっています。

特に、憲法改正について述べられている内容は、わが党として、看過できない重要なものを多く含んでいるので、丁寧に意見を述べたいと思います。

よって、少し長い討論となりますが、ご容赦願います。

まず、1つ目の、参議院選挙の合区解消について述べます。

問題とされている「合区」は、昨年7月に成立した改正公職選挙法によるもので、1票の格差を是正するために、先の参議院選挙で、徳島・高知、鳥取・島根において憲政史上初の合区による選挙が実施されたものです。

しかし、合区をつくってまで行った選挙にもかかわらず、一票の格差が3.0倍以上あったとして、相次いで訴訟が起きました。

これは、昨年7月の公職選挙法の改正が、抜本改正ではなく、当面の格差を3倍におさめるための単なる数合わせを行ったにすぎなかったからです。

合区をつくって数合わせした結果、都道府県単位の選挙区を基本的に維持しながら、人口の少ない県と隣接する県には適用しないという矛盾から生まれる制度上の不公正を生むという重大な問題が起こりました。

議員定数を現状のまま維持するとしても、人口変動の予測を見れば、今後も新たな合区が必要となり、合区された県と合区でない県との不平等感は一層顕著になっていくものと考えられます。

意見書では、「投票率の低下」や「選挙区において自県を代表する議員が出せないことなど、合区を起因とした弊害が顕在化」しているなどの問題を指摘していますが、この点は全く同感です。

「合区解消を求める声が大きなものとなっている」として、国に対し、次期参議院選挙までに合区の解消を行うよう求めることは当然です。

改正公職選挙法の付則では、2019年の参院選に向け、選挙制度の抜本的見直しについて検討を行い、必ず結論を得ると明記されています。

この付則に従い、投票価値の平等という憲法上の要請にこたえる抜本改正こそ、求められるべきです。

意見書案では、「多様な地方の意見を、国政の中でしっかりと反映させる必要がある」としています。この点は同感ですが、「抜本的な解決には、参議院の在り方について、都道府県の代表としての役割を憲法に規定するなど、衆議院と差別化を図る議論を行う必要がある」としている点については、同意できません。

そもそも、法の下の平等は憲法の大原則で、基本的人権に係る基本的命題です。

その下で、憲法第43条を改定し、仮に、参議院を地方代表として一票の格差を是認するなら、現憲法で規定する「全国民の代表」としての衆議院とは異なる権能の制限がされることとなります。さらに、憲法第92条は、「地方公共団体の組織および運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」としており、憲法は直ちに都道府県を規定しておらず、新たな規定を行うことは、日本の地方自治、統治機構全体に関わる大きな命題です。

早急に合区解消を願う県民が、こんな議論を求めているとは到底思えません。憲法改正を進めるための「ためにする」議論ではありませんか。

憲法47条には、「選挙区」は、「法律でこれを定める」としていますが、都道府県を単位とした上で、「一票の平等」の基本原則を守ろうとすれば、総定数は増やす以外にはありません。

国会議員460人分の費用に相当する年間320億円の政党助成金の一部の金額を活用すれば新たな支出をせずに、総定数を増やすことも可能です。こちらの方が国民の理解を得られるのではありませんか。

憲法では、衆議院も参議院も「全国民を代表とする」と規定されており、都道府県のような地域代表制について直接要請していません。

また、地域代表を重視するといっても、都道府県で定数2、つまり改選定数1の選挙区では、比較第一党の候補者しか議員になれません。

比較第一党の議員がその地域の民意をすべて反映しているといえるのか、地域におけるその他の民意が切り捨てられていることになるのではないでしょうか。

この欠点を補って、できるだけ多様な民意を反映させるとして比例代表制が併用されているのではありませんか。

この問題意識を基本に、抜本的な選挙制度改革案を示した例が過去にあります。

2009年9月30日最高裁大法廷判決が「現行の選挙制度の仕組みを維持する限り、各選挙区の定数を振り替える措置によるだけでは、最大格差の大幅な縮小を図ることは困難であり、これを行おうとすれば原告の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できない。」と判事しました。

これを受け、2010年12月、当時の西岡武雄参議院議長は、定数を242議席のままとしたうえで、都道府県単位の選挙区を廃止し、全国を9ブロックに分割した比例代表で全議員を選出するとした選挙制度改革のたたき台を提示しています。

この案は、「一票の格差」を縮小し、最小のブロックでも定数12(改選6)とし、1人区という小選挙区を無くす結果、民意の過度の集約を解消し、より民意を反映する選挙制度となり、検討に値する案です。

以上述べてきたように、合区問題解消については、現憲法の下、公職選挙法の抜本改正をはかることで解決できる問題です。

 

次に、2つ目の憲法改正の議論を進めることを求めている点です。この点については、全く賛同できません。

憲法改正を求める理由に、現行憲法の地方自治に関する規定がわずか4条しかないこと、地方自治の基本原則とされる地方自治の本旨についても表現が抽象的で分かりにくく、自治の侵害を防ぐための基準として不十分であるとの指摘があるとしています。

しかし、憲法92条には、「地方公共団体の組織及び運営」が「地方自治の本旨」に基づくことを明確に現しています。地方自治の本旨とは、地方政治は住民みずから決めるという「住民自治」、住民は国などの圧迫をうけない独立した機関をもつという「団体自治」を核心とする政治原理であり、抽象的でわかりにくいという指摘は当たりません。

また、この政治原理からすれば、地方自治を侵害するような事象があれば、それこそ憲法違反ではありませんか。仮に自治の侵害を防ぐための基準を明確にするというなら、地方自治法に盛り込めば済むことです。

本来、住民の自発的合意に基づくべき合併を、強権的な行政指導や「合併特例債」などの財政誘導で迫り、期限も示すなどして強引に推し進めるなど、地方自治の本旨をまっこうから踏みにじってきた自民党政権の政治こそ問題にすべきです。

さらに、憲法が70年間一度も改正されていないため、人口減少や地球規模での環境問題、大規模災害、日本を取り巻く外交安全保障情勢の変化など、様々な面で現実との間に乖離や矛盾を生んでいるとしていますが、人口減少や地球規模での環境問題などは、個人の尊重と幸福追求権をうたった憲法13条、生存権を定めた25条などで十分対応できるものです。

例えば、「環境権」は国民が公害闘争などで、勝ち取ってきたもので、憲法にその規定がなかったことが問題ではなく、国民の生存権、幸福追求権よりも企業の利潤追求権を優先して環境を守る施策を怠ってきた行政の責任こそ問われます。

日本国憲法は、①国民主権と国家主権、②基本的人権の保障、③平和主義 ④地方自治など、民主主義国家の大原則を備えていて、時代の変化に耐えうる 普遍性に富んだ内容をもっています。

「様々な面で現実との間に乖離や矛盾を生んでいる」のは、憲法が時代の要請に応えられなくなっているからではなく、憲法を守り生かす政治が行われていないからではありませんか。

今、求められていることは、憲法改正の論議を進めることなどではなく、政治のあらゆる分野に本当に現憲法が生かされているのかの検証です。

この問題が最もするどく問われているのが、安全保障関連法、いわゆる「戦争法」の問題です。

安倍政権は、外交安全保障情勢の変化を理由に、戦争放棄を謳った憲法をないがしろにして、昨年、「安全保障関連法」を強行可決しましたが、平和と立憲主義を求める国民の批判の高まりのもとで、発動さえできない状態になっていることは、その証拠です。

安倍首相は、参議院選挙中は、憲法改正については一言も語らなかったのに、参議院選挙で改憲勢力が衆参とも3分の2を超えたことで、今国会中に憲法改正に踏み出す姿勢を強めています。

しかも、立憲主義憲法でなく、国民にさまざまな義務を押し付ける封建主義憲法だと厳しく批判されている自民党の憲法草案を、憲法審査会でのたたき台にすることはあきらめても、憲法草案自体は撤回していません。

国民は、このような政権の元での憲法改正に不安と危機感を強めています。

憲法改正をめぐる情勢が緊迫している中で、合区問題解消を入り口に、安倍政権が狙う憲法改正への後押しをするような意見書は出すべきではありません。

よって、本意見書には賛同できません。

議員各位の冷静な判断をお願いして、討論を終わります。

徳島県議会9月定例会での日本共産党県議団の討論 その3

10月24日の県議会閉会日での、県議団の意見書に対する反対討論を掲載します。

◆「地方議会議員の厚生年金加入のための法整備の実現を求める意見書」討論

yamada_dayori891
山田 豊

私は日本共産党を代表して、議第3号「地方議会議員の厚生年金加入のための法整備の実現を求める意見書」をもっと慎重に審議すべきとの立場で、反対討論を行います。

大問題になっている富山での政務活動費の問題、徳島でも2人の県議の政務活動費等不正受給での辞職などを通し、県民から厳しい目が向けられています。この認識を今こそ持つことが必要だと私は思います。わが県議会での費用弁償の見直しもその一環ではないでしょうか。

まず慎重に検討すべきは、
地方議会議員の厚生年金加入の件が、国民的、県民的な議論になっているかという点です。
今、年収200万円以下の給与所得者が1000万人を超え、貯蓄ゼロ世帯が全世帯の3割にのぼり、国民年金の平均受給額は月約5万4000円です。このもとで、厚生労働省の国民生活基礎調査でも、8%の消費税増税後、生活が苦しいという回答が6割にもなっています。貧困世帯への影響も深刻、これが今の現状です。

また国会で現役世代の賃金が下がったとき、あわせて高齢者の年金も下げる。まさに負のスパイラル、最悪の悪循環につながる通称「年金カット法案」が提案されています。これは撤回すべきです。まず低年金の底上げをすすめることです。
さらに公的年金制度のなかに、最低保障の仕組みがないのは、先進国では日本だけです。国連の委員会からも、「最低年金を公的年金制度に導入すること」がたびたび勧告されています。最低保障年金の導入に足を踏み出せば、低年金・無年金の増大、年金制度の「空洞化」、サラリーマン世帯の専業主婦の「第3号被保険者問題」など、今日の年金制度が抱える様々な矛盾を抜本的に解決する道が開けます。この解決こそ政治の責任ではないでしょうか。

次に県議会などでも、厚生年金加入となれば、地方公共団体の多額の事業者負担も発生することになるでしょう。
地方議員の中でも、町村議会議員などは、歳費が低いなど、厚生年金加入の必要性はないわけではありません。しかし年金の現状、県民の生活実感、さらに地方公共団体の事業者負担などなど検討を尽くすべき課題が山積しています。それだけに粘り強く慎重に検討することが必要で、拙速な意見書提出はやめるべきです。
以上意見を申し上げました。議員各位の賛同をお願いし討論を終わります。

徳島県議会9月定例会での日本共産党県議団の討論 その2

10月24日の県議会閉会日での、県議団の意見書に対する反対討論を掲載します。

「地方創生の強力な推進による一億総活躍社会の実現を求める意見書」討論

yamada_dayori891
山田 豊

私は日本共産党を代表して、議第1号「地方創生の強力な推進による一億総活躍社会の実現を求める意見書」に反対の立場で討論します。
提出者説明にあったように、「東京一極集中の是正」とか「人口減少の克服」を図るため、国と地方をあげて、総力を結集して「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の本格的展開を加速していかなければならないと唄っています。
しかしその一億総活躍社会の内容は、今の国会審議でも問題点が明らかになっています。
第一に、「一億総活躍社会」、「働き方改革」とうたう補正予算案の大部分は、低所得者向け臨時福祉給付金3685億円です。1回1万5千円もらっても消費税が10%になれば1人2万7千円の負担増です。予算額に比べ極めて効果は薄いものです。
保育士の処遇改善は補正予算案では見送られ、概算要求でもわずか2%の賃上げを事項要求にとどめました。介護報酬引き下げはそのままです。「介護離職ゼロ」をいいながら、病院からも施設からも追い出し、家族に押し付ける介護保険改悪はやめるべきです。
大企業のリストラを後押しする「労働移動支援助成金」の再編強化の雇用対策は、とても容認できるものでありません。
さらに問題なのは、リニア中央新幹線の開業前倒しなど、新規大型開発事業へ大盤振る舞いの内容です。
政府は「地方創生回廊」の名のもとでリニア中央新幹線に3兆円の財政投融資を行い全線開業を前倒しするとしていますが、それで政府のいう「成長の果実が津々浦々にいきわたる」ことができるのか、、地方再生につながるのか、はなはだ疑問です。
地方が特性を生かして自立することで経済の好循環を生み出す、地に足のついた経済対策への転換こそ必要です。「大阪や東京が大きなハブになって、地方と地方をつなぐ」まさに「日本列島改造論」を思い出させます。徳島を含む地方での、地域公共交通の衰退の中で、大交通網の整備が「時代の要請」などと言えるのでしょうか。この大交通網の整備がかえって東京一極集中を加速しかねないとマスコミでも指摘されています。
さらに問題なのは、リニア新幹線の効果とされている「人口7千万人の巨大都市圏スーパー・メガリージョン形成」という国交省の構想です。三大都市圏に7千万人の人口が集中する大交流リニア都市圏が誕生するという構想です。
2065年の国立社会保障・人口問題研究所の推計人口が8100万人に対し、三大都市圏で7000万人、こんな構想が推進されたら、いびつな国土となり、地方創生どころか地方消滅につながるではありませんか。

「地方がなぜ疲弊したのか、過去の政策の総括と反省がなければ、正しい処方せんがかけないと私は思います。その反省をしないでTPPも突っ走る、これで地域再生、徳島再生ができるでしょうか。破たんした「アベノミクス」は「加速」どころかきっぱり中止し、国民の暮らしを温める政策への転換が不可欠です。昨年9月に続き、国に漫然と意見書を出す姿勢では、本当の地方再生はできない、と指摘します。以上討論を行いました。議員各位の賛同をお願いして反対討論とします。

 

 

徳島県議会9月定例会での日本共産党県議団の討論 その1

h27-tatuta110月24日の県議会閉会日での、県議団の議案に対する討論を掲載します。

◆ 議案に対する反対討論(達田良子県議)

私は、日本共産党を代表して、ただいま提案されている議案のうち、議案第一号、第二号、第四号に反対の立場で、また請願1件について不採択ではなく採択するべきとの立場で討論いたします。

まず、議案第一号は「平成28年度徳島県一般会計補正予算(第2号)です。
反対の理由は、消費者行政推進費として500万円の予算が組まれていることです。

消費者庁、国民生活センターの施行移転の結果を受け、9月1日に「まち・ひと・しごと・創生本部」において今後の国の取り組み方針が決定され、消費者庁の新拠点を德島に開設をするとともに、消費者庁の全面移転も視野に入れた規模の拡大に向けた施行としても位置づけ、3年後に効果の検証、見直しを行うことが明記されています。
しかし、同時に、この方針の中で、消費者庁がこれまでおこなってきた業務(国会対応、危機管理、法執行、司令塔機能、制度整備等)は東京で行うということがはっきりと明記されています。
現在の德島で全面移転を目指すというのはあまりにも無理があります。
消費者庁等の機能低下を招き、全国からの理解も困難な中、全面移転を視野に入れた取り組みを行うための予算には賛成できません。

議案第二号は、「平成28年度徳島県流域下水道事業特別会計補正予算(第1号)」5千50万円が提案されています。
流域下水道事業は、現在、一期工事として、一市四町にまたがって進められていて、補正予算は、終末処理場の設備、津波対策等を進めるというものですが、工事着手から実に十三年、県費三百三十億円をつぎ込んでも、いまだ事業終了のめどがついていません。各家庭への接続率、普及率もあまりに低いといわざるをえません。「防災」という名分であっても、漫然と続けることは許されないと考えます。

議案第四号は、「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行条例の一部改正について」です。「不妊治療に要する費用の助成に関する事務」にもマイナンバー制度を導入しようというものです。
そもそもマイナンバー制は、国民への国家管理と監視強化につながるものである上に、情報漏えいを防げない欠陥制度です。子どもを授かりたいという切実な願いで制度を利用する人にもマイナンバーを必要とするなど到底認められません。
次に請願第十号「臨時国会でTPP協定の批准を行わないことについて」は、不採択ではなく採択するべきという立場で討論します。
TPPは、日本がアメリカなど11カ国との間で関税を原則的に撤廃し、サービスや投資も自由化を約束、農業や中小企業だけでなく医療や保険、雇用や「食の安全」などに大きな影響を及ぼす、国のあり方を変える協定です。多国籍企業が進出先の国の制度が気に入らなければ裁判に訴えることができるISDS条項など、国の主権にとっても危険な内容です。

自民党は2012年末の総選挙で「TPP反対」を主張したのに、政権に復帰した安部政権はその直後に交渉参加を決めました。
衆参両院の国会決議ではコメ、麦、牛肉など重要5項目は「聖域」として関税撤廃の対象から除外するよう求めたのに、合意では5項目でも3割近くの品目で関税が撤廃されます。関税が残っても無傷の品目はありません。

この間、TPPの危険性と安倍政権の不誠実さを浮き彫りにしたのは、日本が輸入を続けてきたSBS(売買同時入札)米の問題です。輸入業者の買い入れ価格と卸売業者の売り渡し価格を同時に入札し、差額は国が徴収する仕組みですが、実際には輸入業者から卸売業者に「調整金」が渡され、輸入米が国産米より安い価格で売られていた疑惑が濃厚です。

安部政権はTPPでコメの輸入が増えても、国産米と同じ価格で売られることになっているから国内の生産に影響はないと言ってきました。SBS米の問題は、TPPによる国内農業への影響を小さく見せてきた政府の試算の破綻を示しています。

また、「食の安全」の問題でも、現在でも残留農薬などが国の基準を超えた違法な輸入食品が大量に流通し消費されている実態がありますが、さらに輸入食品の増大につながるTPPの批准は許せません。

政府、与党はこうした問題に答えないまま14日の審議入りを急ぎました。その上17日、自民党の福井衆議院議員、18日、山本農水相と「強行採決」発言が相次ぎ大問題となりました。しかし、山本農水相が発言を謝罪・撤回した当日に、衆院TPP特別委の職権開会と地方公聴会開催の議決を強行し、その後もTPP承認案の強行採決をしないとの担保がないまま強行運営を重ね、本当に許せません。

日本の農業、食の安全を守れという世論はますます大きくなっています。
臨時国会でTPP協定の批准を行わないよう意見書をあげてもらいたいとの願いは当然であり、本請願は採択するべきです。

以上、意見を申しました。議員各位の賛同をお願いし討論を終わります。