2月定例会 日本共産党の一般質問 

25日、徳島県議会2月定例会の一般質問で、日本共産党県議団を代表して、山田豊県議団長が登壇しました。

質問全文を以下に掲載します。(ただし、事前に準備した質問原稿にもとづくもので、正式な議事録ではありません。)

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1.知事の政治姿勢、(雇用者報酬減と地域経済)

私は、日本共産党を代表して質問いたします。

飯泉知事は、繰り返し「県民に豊かさを実感していただきたい」、豊かさが実感できる「21世紀の徳島づくり」を訴え、以前公約の柱にしてきました。

13年間の県政をふりかえり、果たして県民は豊かさを実感できているのか、この検証が不可欠です。

 

アベノミクスの3年間のもと、国民、県民の暮らしの実態について述べます。

まず雇用の実態ですが、総務省の労働力調査詳細集計で、安倍政権の3年間で正規雇用は23万人減少し、逆に非正規雇用が172万人増と、不安定雇用が一段と拡大をしています。

また、2012年11月から2015年11月までの3年間で、パート労働者の実質賃金のみならず、一般労働者でも3%も減少しています

さらに内閣府が15日に発表した2015年10月から12月期のGDP速報値では年率1・4%のマイナスでした。

 

「国民生活基礎調査」で「生活が苦しい」との回答が過去最高の62.4%になっているのもその現れです。「アベノミクスの効果も本県では実感できない。」これが多くの県民の声です。

この3年間で、国民・県民の暮らしはますます厳しくなり、この認識をしっかりもって県政運営にあたることが必要だと考えます。

 

今年の1月に2013年度の県民経済計算年報が発表されました。徳島県の足元の地域経済の実態を知るための情報として極めて重要な統計です。

 

それを見ると徳島県内の1人当たりの雇用者報酬は、知事が就任してから

13年の間で、最も高かったのが2007年度、そのピーク時より直近の2013年度は8万円下がり、前年度よりも2万8千円、率にして0・6%も下がっています。

 

さらに最近発表された2015年家計調査の徳島分でも、生活実感に近い実質可処分所得を見ると20年間でなんと25%の減少、それは実収入が減り、税や社会保険料の負担が増えたことが背景にあります。

 

 

この家計調査、雇用者報酬の状況、さらに先に指摘したアベノミクスの深刻な影響からみて、とても豊かさなど実感できる状況ではなく、逆に貧困と格差の広がりが徳島でも深刻な問題になっていると考えます。

 

 知事は県民の暮らしが厳しくなっているという認識はあるのでしょうか。

ご答弁ください。

 

2、非正規雇用と若者雇用推進法

(都道府県労働局のプラン)

県民の所得を増やすことが、知事が依然たびたび言われた豊かさの実感の土台です。県民の所得を増やすためには、非正規雇用の解消が不可欠です。

 

2013年度の県民経済計算年報を見ると、県民雇用者報酬が2002年度をピークに下がり続け、一方企業所得は2008年度以降増え続けています。要は企業の収益分が、雇用者報酬に回ってないことが示されています。徳島県の経済状況の活性化からも、豊かさの実現、実感からも雇用者報酬の引き上げに、県の知恵と予算を投入することが急務になっています。

 

徳島県での貧困と格差の広がりを解消し、暮らし最優先での徳島再生にむけて取り組む課題を提案します。

 

第一は非正規など解消し、正規雇用を増やすなど雇用のルールを守り、仕事をつくり、賃金を上げる対策です。

 

県は、「本人が望まない不本意非正規の問題を中心に据え、非正規の取り組みを強化していく」といってきましたが、一方で正規・非正規を問わず雇用全体を底上げすることが重要という認識も示しています。不本意非正規については、「もっと底上げしなければいけない状況」になれば、数値目標の提示を検討したいとも言ってきました。

 

昨年6月の委員会で、いったんは数値目標など具体的な取り組みを内部で詰めて提示したいと表明しながら、いまだに示されていません。非正規問題の危機感が全く足りません。

 

一方国では、昨年6月に閣議決定した「日本再興戦略」改定2015で、非正規雇用の正社員転換の重要性を指摘し、取り組みを加速するとしました。

今年1月には、正社員転換・待遇改善実現プランを策定し、不本意非正規比率など目標値を設定し、3月までに各労働局が地域プランを策定することになっています。非正規雇用が4割台に達し、国が正社員転換へ取り組みを開始した状況でも、県はまだ不本意非正規の対策について数値目標を掲げ、本格的に進める状況でないという認識なんでしょうか、非正規の正社員化を名実ともに中心に据えた雇用対策が県としても必要です

そこで徳島版「正社員転換・待遇改善実現」プランの内容と準備状況及び発表時期、県がどのように参画しているのか、答弁を求めます。   

 

 

  • 小規模企業憲章と中小企業振興条例について  

 

  1.  現行の徳島県中小企業振興条例には、小規模企業者に最も求められる「持続的発展」を支援する視点が全く欠落しています。
  2.  第二に小規模企業の振興が不可欠です。

徳島県内には県内企業の9割の小規模企業が存在し、地域経済の主役として頑張っています。この小規模企業の皆さんの対策も豊かさを実感する重要な取り組みになります。

しかし21世紀に入り、2014年まででなんと県内の小規模企業が5532も姿を消しています。

 

経営資源の確保が困難な小規模企業においては、成長発展のみならず事業の持続的発展を図ることが必要です。小規模企業振興法の制定により、法的にも小規模企業への支援が自治体の責務として位置づけられました。小規模企業憲章を踏まえ、事業の持続的発展を図り、推進する施策の策定の早期具体化、および施策実現に向けた実態調査、それを検討・具体化する委員会の設置などの対策が急務中の急務です。

 

小規模企業振興法は、中小企業基本法の基本理念である「成長発展」のみならず、技術やノウハウの向上、安定的な雇用の維持等を含む「事業の持続的発展」を基本原則として位置づけたことが最大の特徴です。

 

徳島県の小規模企業振興憲章でも、行動指針の県の取り組みで、国・市町村・関係団体と連携して持続的な発展を支援すること、人材の育成や確保を支援することが謳われています。

 

一方、現行の中小企業振興条例は、小規模企業者に最も求められる「持続的発展」支援の視点が全く欠けています。

 

つまり現行条例は、成長分野で「頑張る」中小企業を対象としているという致命的欠陥があります。

小規模企業支援で先行している他の自治体の取り組みから、小規模事業者の要求は、仕事の確保、事業の持続への支援、後継者問題が3大要求であることが明らかになっています。

 

・他県では、「経営資源の確保が困難な小規模企業においては、成長発展のみならず事業の持続的発展を図ることが必要」との条例も制定されています。

 

小規模事業者の支援を、実効性を持って取り組むためにも、中小企業振興条例の改正に当たっては、事業の持続的発展を図るという視点から、どのような施策を盛り込もうとしているのか、答弁を求めます。

 

 

 

 

4.消費者庁の徳島への移転について

次に、消費者庁移転の問題について伺います。

 

私たちが、消費者庁の移転に反対しているのは、国民・県民にとって非常に大切な消費者行政の機能低下を招き、本当の意味で徳島の地域再生に繋がらないと考えるからです。

 

そもそも、なぜ消費者庁の移転なのか。国と県の双方に消費者行政の軽視があるのではないでしょうか。

 

緊急対応に当たる消費者庁は、官邸や担当大臣の下で、司令塔として各省と連携して、迅速に対応しなければなりません。政府全体で迅速に対応しないと、犠牲者が拡大するからです。

 

徳島に移転すると、こうした機能が低下するのではないか、というのが、全国の消費者団体などの懸念です。

 

知事は、“テレビ会議システムを使えば解決できる”とか、“地方に本体を置いて霞が関にサテライトを置けばいい”などと言いますが、消費者行政はその程度の仕事と思っているのですか?

 

たとえば、県の重要な意思決定をするとき、知事が知事室、部長は部長室にいて、テレビ会議で会議ができますか? 県が国に対して予算要望するとき、担当大臣をテレビの前に座らせて要望できますか? 同じ場所で、場の空気を感じ、対面でなければ伝わらないことがあるはずです。

 

政府は、「政府の危機管理業務を担う機関や、中央省庁と日常的に一体として業務を行う機関」などは、移転の対象としない方針を示しています。消費者庁は、まさにそういう機関であって、本来、移転の検討対象に該当しません。

 

消費者庁の移転によって、人の流れは増えるかもしれませんが、そのために、消費者行政の機能を低下させてはなりません。消費者行政の機能低下の影響は、全国の消費者と、もちろん、徳島県民にも及びます。

 

もう一つ、移転費用の問題です。国の「政府機関の地方移転に係る対応方針」では、「国の新たな財政負担は極力抑制」すると示されています。つまり、消費者庁の移転に伴う費用は徳島県が持つということです。

 

今年度の2月補正で200万円、新年度予算で1,800万円、消費者庁や国民生活センター誘致関連費用として県費を計上していますが、その内容は、消費者庁の職員が業務試験をするための通信ネットワーク環境整備や移転候補施設整備の実施計画策定のための費用とされています。移転が決まったわけでもないのに、施設整備の実施計画策定のための費用が先取りされています。

 

消費者庁は、霞が関の合同庁舎に、今、移転の最中でしょう。その移転費用は11億円といわれています。神奈川県相模原市の国民生活センターは整備費用に50億円かかっているといわれています。

徳島へ移転するとなると、それらがムダとなり、新たなコストがかかることになります。そんな税金の無駄遣いが許されるでしょうか。

 

そこで知事に伺います。

 

この夏の実証実験で、全国の消費者団体などから上がっている反対の声や消費者行政の機能低下に対する懸念の声すべてを解消できると考えているのですか。

 

また、消費者庁や国民生活センターなどの移転及び周辺環境整備に、いったいどれだけの県費を投入するつもりですか、消費者庁等の移転にかかる総費用について見通しを示していただきたい。

答弁をいただいて、質問を続けます。

 

 

再問

 

まず消費者庁の問題ですが、今の答弁からすると、また予算面からすると2回の実証実験で終了するということですか、知事に答弁を求めます

県民の生活が苦しくなっているという声にどうこたえるのか明確な答弁はありませんでした。

そこで知事の政治姿勢について再問いたします。

まず先日の世論調査でも、日銀のマイナス金利導入によって、景気が良くなるとは「期待できない」という回答が8割を超えました。さらに生活が苦しいという回答が過去最高になっていると指摘しましたが。直近の家計調査やGDP速報値、県内の雇用者報酬の減など「このきびしい経済状況下で、消費税10%増税の中止を働きかけるべき」と考えますが、政治家 飯泉知事の認識を伺います。

 

県内の中小企業を平等に支援するのが、県行政の役割ですが、見過ごせない問題があります。

 

平成6年1994年以来22年間徳島化製1社に、全国に例を見ない補助金を県が出し続けています。

実に新年度の予算額も含むと22年間で商工政策課11億2850万円、安全衛生課で12億9471万3千万円、畜産課では実に24億1803万8千円、3課合わせると48億4125万1千円という信じられない補助金を県が徳島化製という一民間企業1社に投入しています。

県民の皆さんが納得できるでしょうか、ここにいらっしゃる議員の皆さんも納得できますか

県下の中小企業の皆さんが、苦労して経営を維持し、地域経済に貢献してきています。そんな中で全国でも例を見ない徳島化製への1社に50億円近い補助金、あまりにも異常です。

この点を指摘して質問を続けます。

 

 

5、鉄道高架事業について

鉄道高架事業は、好景気に沸いた昭和40年代半ば(1970年)に構想、1期の構想策定からでも40年がたっています。当初目的としていた渋滞解消が影をひそめる中、県は防災対策を前面に出しこの事業の必要性を強調してきました。

なんとしても知事の公約であった「2014年度の都市計画決定」を達成しようとしましたが、公約は達成されませんでした。

知事は4期目の公約で、鉄道高架事業は、Ⅰ期区間(新町川から冷田川付近)の事業着手を今年中に着手するとしています。しかし見通しは全く立っていません。

そういう中、徳島市が鉄道高架の車両基地候補地として、「文化センター周辺案が浮上」との報道がありました。市民からは「市民の同意も全くない無責任な案だ」との批判も上がっています。しかし徳島市南部の地蔵橋駅付近も徳島市は困難と判断しているようですが、県は合意済みで最善だとしています。

 

県と市が様々な問題で見解が食い違い、何よりも市民合意、県民合意のない事業がずるずると続けられています。

1期事業後でも、県の計算で約2億5千万円(県負担額約6千万円)も支出しているが、事業の進展は全く見えていません。

市民の関心も薄れ、必要性に疑問の声があがるこの事業、県の財政状況からも中止を表明すべきです。知事の所見を伺います。 

 

 

6.保健所体制問題

保健所長の兼務が長期にわたっている点についてお聞きします。

 

2012年に当時の徳島保健所長が急逝し、吉野川保健所長が兼務しました。吉野川保健所と徳島保健所が管轄する地域の人口は、実に県の人口の約75%を占める大所帯です。本来なら、早急に徳島保健所長を配置し、正常な状態にもどすのが当たり前です。

ところが、県は、吉野川保健所長を徳島保健所に異動させ、所長の空白を解消したものの、吉野川保健所長と兼務させ、そのまま4年間が経過しています。

 

四国では、現時点で兼務が続いているのは、徳島県だけです。

4年間も兼務が解消されていない、しかも、県内の人口の75%を占める地域の保健所長が兼務状態のまま放置されている状況は異常です。

 

現在、所長は、そのほとんどを徳島保健所で勤務し、吉野川保健所で業務に当たるのは週1日程度という状況だそうです。

 

保健所には、平時からの公衆衛生の向上と増進、いざというときの危機管理まで幅広い活動が求められており、保健所長は、多岐にわたる専門分野について統括する立場として、重要な役割を果たしています。

 

地球規模で新種の感染症が次々と広がっている状況、また、今後予想されている南海トラフ巨大地震など、県民のいのちと安全を脅かす危険性が高まっている時代に、現地の保健所長さえまともに配置できていないことは、  まさに行政の怠慢であり、知事の責任が問われていると言わざるを得ません。

 

知事は、「現場主義」と、何度となく言われますが、この立場に立つなら、公衆衛生医師確保を早急に行い、一刻も早く吉野川保健所に所長を配置して兼務状態を解消することこそ最優先の課題として行うべきです。 知事の回答を求めます。    

   

7 子どもの貧困対策について 

日本の将来を担う子どもの貧困率が、先進諸国のなかで最悪となっているというショッキングな報告がされています。一刻も放置できない深刻な事態だと考えます。

県も、徳島教育大綱で、子どもの貧困対策を推進することを掲げ、部局を超えた連携をとるとして、いくつか対策を打ち出していますが、ここでは、従来から行われてきた小中学校の児童生徒への就学援助制度について絞ってお聞きします。この制度への取り組みに、自治体の姿勢が顕著に現れていると考えるからです。

 

就学援助は、一番古くから行われてきた子どもの貧困対策の一環であると同時に、その受給状況は、子どもの貧困状態をある程度現す重要な指標です。

 

昨年、文部科学省が実施した平成25年度全国就学援助実施状況等調査の結果によると、全国では、公立の小中学校に通う子どもの15.4%が就学援助を受けています。

一方、徳島県の受給率は、13.33%と、全国平均に比べて低い結果が出ています。

市町村別に見ると、6.44%~16.88%と、市町村によって10%以上の大きな差が出ています。地域によって経済状況が異なることも考えられますが、制度の周知方法や支給基準が異なっていることが影響していると思われます。

 

文部科学省は、調査結果を公表するとともに、昨年10月6日付で各都道府県教育委員会教育長あてに通知を出し、各市町村教育委員会に対して制度の周知徹底や周知方法の充実をはかることを求めています。

文部科学省は、これまでは、都道府県ごとのデータのみ公表していましたが、今回は自治体などによる「子どもの貧困対策」に生かしてもらうためとして市区町村別のデータを初めて公表しました。この問題は我々議員も含めて早急に対策を取る問題です。その面でも教育委員会の本気度が問われています。

 

文部科学省の今回の通知にもとづいて、どのような取り組みを行っているのか。答弁を求めます。

以上

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