社会保障はどうなる?どうする?

県社会保障推進協議会の記念講演会に行ってきました。

記念講演では、長友薫輝氏(三重短期大学 生活学科教授)が「社会保障はどうなる?どうする?」と題し、社会保障とは何か、介護・医療等をめぐる政府の政策動向とはどういうものかという話から、今後のたたかいの展望(介護保障・医療保障を地域からつくる)まで語りました。

政府は、社会保障を「自己責任と助け合い、それでも足りない部分は共助」という考え方を浸透させようとしているが、社会保障は「公助」だということをしっかり念頭に置いて考えること。
社会保障が経済発展を阻害するという考え方も誤り。「平成20年版厚生労働白書」には、社会保障の経済波及効果・雇用誘発効果は公共事業などの他の産業よりも大きいと書かれており、政府自身が認めている。

生活保護制度をよくすることが社会保障のすべての分野に連動すること、健康格差対策の視点が重要など、豊富な資料をパワーポイントで紹介しながらポイントを抑えた話はとてもわかりやすいものでした。

社会保障の改悪プログラムは、すでにできあがっていて、現在進行形。特に医療・介護分野は、2018年の大転換に向けて国保の都道府県化や地域医療構想策定など、着々と準備が進められていることについて具体的な事例も紹介され、今年度の運動が重要だと強調しました。

社会保障のあらゆる分野で進行する改悪に抗する立場で運動にかかわっている者にとって、長友氏の、「非科学的な考え」が幅を効かせている現実のなかで、「客観的な事実をもとに考える癖」をつけることが大事、「理不尽な政策は変える、変えられる」という話は大変参考になり、また大いに励まされた話でした。