2015年決算に対する反対討論を行いました

11月定例会が開会しました。

閉会中審査を行っていた昨年の決算について、わが党の達田よし子県議が反対討論を行いました。

討論の内容を以下に掲載します。

 

h27-tatuta1私は、日本共産党を代表して、平成27年度徳島県一般会計歳入歳出決算に反対の立場で討論いたします。
平成27年度は、平成26年4月からの消費税増税で、景気回復の遅れが深刻で、県内小規模零細企業や県民生活への支援が求められました。また、南海トラフ巨大地震への備えや、豪雨・豪雪など大規模災害への対策が喫緊の課題として求められました。
県民の、くらしを守る政治をという願いはますます高まっています。
県は、災害復旧などで県民の要望に一定応えてきたものの、弱者の視点に立って住民福祉の機関としての役割を果たしてきたのか、また公平かどうか、無駄づかいがないかなど、県民目線でみれば、認定しがたい決算であったといわざるをえません。
こうした視点から、認定できない、主な理由を述べてまいります。

第一に「地方への新しい人の流れの突破口」として「消費者庁」「国民生活センター」等の徳島移転を実現させるとした取り組みのうち、神山町で行った消費者庁の業務試験に関する支出をしている点です。
東京一極集中の是正のためとして省庁などの移転が検討されてきましたが、德島での業務試験の結論は、消費者庁がこれまでおこなってきた、迅速な対応を要する業務や対外調整プロセスが重要な業務即ち、国会対応、危機管理、法執行、司令塔機能、制度整備等は東京で行うというものでした。
德島で「新未来創造オフィス」を設置して、新しい仕事をし、3年後の検証・見直しをするという方向に持ってきたのは、裏をかえせば、通常の業務は德島では出来ないということです。
消費者庁・国民生活センターの機能低下につながり、全国からの理解も得られないのに、県が無理を通すという初年度となったわけですから、131万円という少額であっても、認定できません。

第二に、德島東署施設整備PFI導入可能性調査事業として997万9千円が使われたことです。まださらに28年度29年度と2800万円も必要ということで、事前の調査・検討に約4千万円も使われることになるといいます。
PFIは、大企業、金融機関、ゼネコンのための新事業を作り出すためのものです。主なもうけは県外の大手に吸い上げられる仕組みです。こうしたPFI導入の検討等の費用については、おおいに疑問であり、認定できません。

第三に、マイナンバー導入のために 使われている点です。
マイナンバーの、情報漏洩の危険性については、国民の不安がますます高まっています。この制度の中止こそ国に求めるべきであって、県独自の制度にもマイナンバーを使ってもらって普及を図るという、半ば強制的なやり方はやめるべきです。

第四に、27年度も、德島化製協業組合という1民間企業に、農林水産部3929万9千円、危機管理部2095万9千円、商工労働部1833万9千円で、一時より減額してきたとはいえ、計7859万7千円も支出していることです。
平成6年から27年度までの補助金総額は、47億7051万4千円にものぼります。
国、県、市が、かつて同和高度化資金として60億円も無利子融資した上に、その返済を県が補助金という形で肩代わりした形の、不透明・不公正きわまる支出です。融資した貸付金はすでに全額返済されています。
厳しい経済状況の中、多くの中小零細業者の皆さんがご苦労されています。なぜ赤字とも思えない一民間企業に破格の補助金を出し続けるのでしょうか。県の姿勢が問われます。

第五に、德島阿波踊り空港の国際便施設整備設計費に1927万8千円が27年度分で支出されている点です。
五年前に整備したばかりのターミナルビルに18億円もつぎ込んで拡張するというものですが、国際チャーター便の需要予測も極めて曖昧です。
民間が増資に見合う収入を確保するのが難しいから、事業費は全額県で負担するということですが、一方では、県財政が厳しいといいながら、老朽化しているわけでもない、まだ新しい施設に県費をつぎ込むやり方は、県民の理解は得られないと考えます。

第六に、県の財政を悪化させてきた大本である3000日の德島戦略の反省なしに、国営農地防災事業、旧吉野川流域下水道事業という不要不急の大型公共事業を漫然と続けている点です。今後いくらかかるのか、いつ終わるのかわからない大型事業は、見直しを行うべきです。
災害対策の山崩れ防止や河川の安全対策を行ってもらいたい、交通安全対策で、子ども達が安全に通れるように通学道路を改良してもらいたいなど、要望が沢山あります。こうした身近なくらしにかかわる仕事に振り替えるべきです。

以上、認定できない主な理由を述べました。議員各位のご賛同をお願いして反対討論を終わります。