委員会視察で県南部に伺いました  その1 介護施設(特養ホームねんりん)視察

特養ホームねんりん外観 20170607
特養ホームねんりん外観(ホームのHPより)

7日、文教厚生委員会の県南部視察で、① 美波町の特別養護老人ホーム「ねんりん」、② 東由岐浦修堤碑、③ 県立海部病院 を視察しました。

 

① (^^)/ まるで保養施設?斬新なデザインの特別養護老人ホーム「ねんりん」

美波町の特別養護老人ホーム「ねんりん」は、社会福祉法人 柚木福祉会の施設としてH9年に定員30名で開所しましたが、東日本大震災後の災害想定で、最大12.3mの津波浸水が予想されたことで、安全な高台として現在地に新築移転(広域型の50名定員)を果たし、半年経過したところです。

施設長の西田さんのお話では、利用者の98%が美波町内の方で、待機者は、多いときには70名~80名もあったとのことですが、現在は要介護1~2の方も含めて25名くらい。今後は、地域内の利用者が減ってくることが予想され、入居者の枠を広げたいと考えているが、要介護1、2の方をどう受け入れるかが課題とのことでした。

もともと最初の建設時に電源交付金のおかげで借金なしで建設することができ、負債返済のかわりに将来の建て替えのために資金を積み立てることができたため、今回の新築移転もほとんど自己資金で対応できた。県、町からの補助は1,000万円(町500万、県500万)との話に、委員からは、近隣の他施設が浸水対策として県が7,500万円の補助を出したこととあまりに差があると驚きの声が上がりました。

入所者の平均利用料は食費込みで1月10万円程度。収入が少ない方は減免制度利用で1月6万円程度になるので、他の介護施設と比べると収入の少ない方が一番利用しやすいのではないかとのことでした。

一方で、介護保険制度開始前の措置制度の時代と比べると、介護報酬が引き上げられたのは1回だけ。後は引き下げばかりで、「1勝5敗」との話や、国はユニット方式を推進する方向だが、ここでは、入所者の介護の質を維持するために、ユニット方式はとらず、基準よりも多い介護職員を配置して全室個室、1フロア方式を執っているとのお話に、介護保険制度の問題点の一端が現れているように思いました。

施設は、外観も内装もまるでホテルのような雰囲気で、天井まで色彩豊かで明るい!フロアに集まっている利用者の方も、職員も、どことなく、ゆったりと温かな雰囲気が感じられたことが印象的でした。

特養ホームねんりんの利用者用トイレ20170607
特養ホームねんりんの利用者用トイレ 前方に折り畳みのアームが設置してあります。両手で捕まって座位を安定させるのに役立ち、立ち上がり時にも利用できます。もちろん、左側に手すりもあります。

― 続く ―