11月議会閉会日  議案と請願の1つに関する達田議員の討論全文

<達田議員の議案と請願についての討論>

私は、日本共産党を代表して、提案されている議案第4号、第5号に反対の立場で、請願第17号は不採択とせず、採択すべきとの立場で討論いたします。

まず、議案第4号「住民基本台帳法施行条例の一部改正について」は、いわゆるマイナンバー制度と連動しているもので、法律で規定された事務に加え、本県独自で利用するための規定を設け、教育委員会や知事部局で執行する事務を処理できるようにするものです。
議案第5号は、これまで、こうした事務処理ができるのが18項目であったのを19項目として、「私立の小・中学校の生徒の修学支援のための事業に係る補助金の交付に関する事務」を加えるというものです。
住基ネットワークシステムでは、意図的に情報を盗み得る人間がいるなど悪意による情報漏洩だけでなく、システムを取り扱う職員のヒューマンエラーなど、100%情報漏洩を防ぐ完全なシステムを構築することは不可能であることを、これまでに何度も指摘してきました。11月22日報道の朝日新聞では「県内で今年5~6月にかけて6市町で計29人分の個人情報の漏洩があった」との報道がありましたが、懸念されている問題がすでに次々と起きているのです。                                             県民の利便性の向上及び行政事務の効率化に資するといいますが、住民基本台帳ネットワークシステムの利用拡大は、個人情報漏洩の危険をますます大きくするもので、賛成できません。

つぎに、請願第17号「国保の県単位化にあたって払える国民健康保険料(税)にすることについて」は、採択すべきです。

国民健康保険は、他の医療保険と違い、事業主負担がありません。その上、加入者の高齢化で医療費が高くなっていることや、無職者、非正規労働者等、低所得層が増えていることなどから、他の医療保険に比べ、その保険料(税)負担率は大変重く、加入者の負担能力を超えるものとなっています。
もともと、国保は、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする皆保険制度の砦として、かつては5割の国庫負担がありましたが、1984年の法改正から国庫負担が削減され、現在では24%にまで減っています。これが高すぎる国保料(税)を生み出し、市町村国保存続の危機の原因となっています。
来年度からの国保の制度改正にあたり、全国知事会は、国保料(税)を協会けんぽ並みに引き下げないと国保の構造的問題は解決しないとして、1兆円の国庫負担増額を求めていました。ところが、国が打ち出したのは、市町村一般会計からの法定外繰り入れ総額にも満たない3,400億円です。しかも、都道府県が策定する国保運営方針には、市町村の法定外繰り入れを解消させる内容が含まれており、このまま実施されれば、いずれ、国保料(税)は、さらに引き上げられることとなりかねません。

この請願には、3600筆を超える署名が添えられ、負担能力を超える高い保険料(税)を引き下げ、「払える」国保料(税)にしてほしいという県民の切実な願いが込められています。
ところが、委員会では、理由も述べず不採択としてしまいました。県民の願いを問答無用で切り捨てる議会のあり方で、県民の理解を得られるでしょうか。
よって本請願は不採択ではなく、採択するべきです。

以上、反対の理由を述べました。議員各位のご賛同をお願いし討論を終わります。