郷土史家、湯浅良幸氏の訃報に思う

阿南市在住の郷土史家、湯浅良幸さんが亡くなられたことを新聞報道で知りました。
私が湯浅さんを知ったのは、昨年、無産者診療所(東京・大崎)の初代所長を勤めた大栗清實医師の顕彰碑が阿南診療所に建設された際の記念式典に、大栗医師を知る生き証人として話をされた時でした。

14歳で海軍に少年兵として入隊し、15歳で終戦となり帰郷。そこで阿南で診療所を開いていた大栗医師と出会い、大きな影響を受けたという話でしたが、湯浅さんの経験談は、海軍での訓練生活、終戦時の混乱で知った軍隊の本質など、どの場面も戦争経験のない私にも、鮮明にイメージさせるような具体性で迫ってくるものでした。
大栗医師から平和や民主主義について学び、自らの人生に大きな影響を受けたと熱く語ってくれました。

今年の春も、阿南診に越しいただき、お話を聞かせていただきました。体調があまり良くないとのとでしたが、まさか、これが最後になるとは想像もしていませんでした。

来年、安倍首相は憲法9条を変える改憲案を出し、いよいよ憲法改正に乗り出すと言っています。
湯浅さんの「二度と戦争への道に向かわせない」「憲法9条を守り抜く」という平和への強い遺志を引き継ぐものとして、改憲の発議をさせないたたかいに全力で取り組む決意です。湯浅さん、どうか安らかにお眠り下さい。