地元、佐那河内村の成人式に出席

2日は、地元、佐那河内村の第72回成人式に出席し、新成人のみなさんに祝辞を述べさせていただきました。

今年の新へと成人、19人を代表して6人が意見発表を行いましたが、それぞれ、自分の目指す道を見つけ、日々頑張っている様子がうかがえる話で、感心しました。

晴れ着を着た彼女たちの姿は、まぶしいほど輝いていました。
許可を得て、写真を撮らせてもらいました。

私の祝辞は、以下の通りです。
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新成人のみなさん、おめでとうございます。晴れてこの日を迎えられたことをお喜び申し上げます。
また、今日まで深い愛情を持ってお子さんを育て上げられたご家族の皆様にも、お喜びを申し上げます。

かつては成人の証の一つだった選挙権は、一昨年から18歳からに変わっていますから、今日の成人式は、社会の責任ある一員として巣立つけじめとなる大切な式として、気持ち新たに立ち会われておられることと思います。
あらためて、みなさんが、成人としてのこれからの長い道のりを、一歩ずつ確かな足取りで歩かれることを心からお祈りいたします。

さて、みなさんが足を踏み出した今の社会は、みなさんの目には、どう映っているでしょうか。

今の日本、大人の社会は、建前と本音があって、上っ面はきれいなこと、正しいと思えることを言っているけれどやっていることは全く違う― こんな現実があまりにも多いと感じて、失望し、あきらめている方も多いのではないでしょうか。

選挙に勝てさえすれば良い、もうかりさえすれば良い、対面を保つためならウソも当たり前、こうした社会の風潮の中で、間違っていると思うことにも目をつむり、組織のトップの意向を尊重して背かないように動く― 「忖度」という言葉が流行語大賞を受賞したのも、そんな世間の風潮の現れです。

一方で、こんな社会ではだめだと感じて、自分自身がどう生きていくのかを考える人たちが増えていることは希望です。戦後の岩波書店の編集者として有名な吉野源三郎さんが戦前に書いた「君たちはどう生きるか」という本がまたベストセラーになり、マンガ版まで出版されたのも、その現れです。

この本は、軍国主義と言論統制が強まっていた時代に「せめて少年少女だけは時勢の悪い影響から守りたい」と企画された「日本少国民文庫」(全16巻)の一冊で、人として守り行うべき道はどこにあるのか等、生きていくために大事な問題を扱っています。私も若い頃に読みましたが、組織とは何か、社会がどういうしくみで動いているのか、その中で、自分自身がどう生きていくのかを考えるのに大変役立つ、現代にも通じる書だと思います。まだ読まれていない方は、ぜひ、一度読んでみることをおすすめします。

世界は決して棄てたものではありません。
二度と戦争で核兵器を使わせない、核兵器廃絶をと願う被爆者の声が世界を動かし、核兵器使用禁止条約が採択され、核廃絶に向けて大きな一歩を刻みました。
北朝鮮の挑発に対して戦争にしない努力―外交努力で解決していこうという流れが生まれています。
この日本でも、市民が主役の社会に変わっていくきざしが見えてきています。

新成人のみなさん、あきらめずに将来に希望を持てる日本を。平和で豊かな日本を、佐那河内村をつくるために、ご一緒に力を合わせましょう。

最後に、今日の式典の準備と運営にあたってくださったすべての方々に感謝申し上げ、私のお祝いの言葉といたします。

おめでとうございます。