放送大学の雇い止め事件  無期雇用への転換を求める裁判を傍聴

102日、放送大学学園無期転換逃れ雇い止め事件の裁判が徳島で始まりました。

 

放送大学学園の徳島学習センターで時間雇用職員として働いてきた藤原さんが、今年331日付けで雇い止めとなったのは、労働契約法第18条(無期転換)逃れであるとして、提訴した事件です。

 

私は、徳島労連のみなさん、達田県議とともに、この日の第一回口頭弁論を傍聴しました。

 

 

藤原さんは、1年間の有期雇用契約を11回更新、12年間働いてきました。

今年、4月から、同じ事業者の下で通算5年間を超えて働いた場合、労働者本人が希望すれば、期間の定めのない「無期雇用契約」に転換できるようになりましたが、藤原さんも、この制度の適応を希望していたのに、雇い止めとなりました。

彼女は、労働組合の団体交渉で、さらに徳島県労働委員会によるあっせんで、雇い止めの撤回を求めましたが、学園側は応じませんでした。

この問題は、国会質問でも取り上げられましたが、学園側の態度は変わらず、裁判に訴えることとなったとのことです。

 

放送大学全体では、同様の雇い止めとなった労働者が61人、このうち、勤続10年以上の人は27人だそうですが、裁判闘争に立ち上がったのは、藤原さんと兵庫県の女性の2人だとのことです。

 

 

兵庫県から、藤原さんと同様に提訴した女性とその支援者6名が応援に来られていましたが、被告側の放送大学学園からは出席なし。代理人(弁護士)も来ておらず、裁判官が、弁護士の陳述を聞いた後、藤原さんの訴訟の意志を確認。次回の日程を決めるといった調子で、10分足らずで終わりました。

 

終了後に開催された報告集会で、原告の藤原さんは、「通信大学で学んだ経験を生かして、社会人として学ぶ方々に少しでもお手伝いできたらと思って頑張ってきましたが、学園の仕打ちに怒りの気持ちでいっぱいです。この問題は、私ひとりの問題ではないという思いで、裁判に訴えることにしました。」と語っていましたが、総務省と文科省が管轄する放送大学が、法律のすき間を縫って労働者の権利を奪うような、こんな非道なことをするのか、と怒りがこみあげてきました。

 

藤原さんのたたかいは、その後に続く全国の労働者の権利を守るたたかいです。

みなさんの支援をお願いします。

 

この事件は、全日本建設交運一般労働組合(通称:建公労)徳島県本部(徳島市幸町3丁目3-7 電話088-653-2328)が支援しています。