自治体キャラバンが県庁入り  県と県議会に要望

毎年恒例の、県社会保障推進協議会の秋の自治体キャラバンは、9月20日の石井町を川霧に、10月18日まで、ほぼ1ヶ月かけて全自治体を回ります。

17日の午後、徳島県庁入りした自治体キャラバン(社会保障推進協議会主催)に私も参加しました。
事前に送っていた要請書への回答を県担当者から口頭で聞き、懇談しました。(県議会は、議会事務局が対応)

要請内容は、以下の6項目(大項目のみ掲載)
①医療提供体制の確保
②国民健康保険に対する自治体対応
③子どもの医療費への助成
④介護保険に対する自治体対応
⑤後期高齢者の窓口負担の見直し
⑥子どもの貧困対策

特に議論になったのは、①医療提供体制の確保で、徳島病院の存続についてです。
国立病院機構が、吉野川市にある徳島病院を板野町の東徳島医療センターへ統合、閉鎖する計画を今年2月に突然発表し、患者さん、家族、地域住民から驚きと不安の声が上がっています。吉野川市長も市議会もそろって国立病院機構に徳島病院の存続を求める意思表示を行い、地域住民が立ち上げた「徳島病院を守る会」は、徳島病院の存続を求める署名をたった2ヶ月で3万筆以上、実に市民の過半数以上を集めて国立病院機構に提出しています。

この日は、徳島病院の看護師さんたちも参加し、東徳島医療センターへの統合を止めて病院を存続するよう国立病院機構に求めてほしいと訴え。涙をこらえながら徳島病院での入院継続を希望する重症の筋ジス患者とその家族の思いを代弁する姿は、胸にせまるものがありました。

また、僻地で訪問看護に取り組んでいる看護師さんからは、僻地加算もあるが、訪問先への移動だけで40分もかかる、冬はスタッドレスタイヤを装着して命の危険も感じながらの訪問等々、採算もとれず、やむを得ず撤退するステーションもある。地域医療に欠かせない訪問看護を、県内どこでも提供できるよう、県としても支援をしてほしい―等の要望も出されました。

②国民健康保険については、昨日開催された平成30年度第1回徳島県国民健康保険運営協議会を傍聴したメンバーから、財政主体が県に移行した今年度、保険料の算定で4方式(所得割、資産割、均等割、平等割り)を採用したのは全国で徳島県のみだったことについて、質問と意見が出されました。

制度改正にあたり、徳島県は、運営協議会については県民の傍聴と議事録の公開を行ったものの、市町村担当者との実務者協議の内容については、非公開でした。(他県では、議事録を公開しているところも多くありました。)保険料(税)を払うのは県民であり、その保険料についての議論の過程を非公開にして、「決まったから支払え」では、県民は納得できない。運営協議会で、被保険者から「資産割」への疑問や意見が出されるのは当然のことで、ぜひ見直して欲しい。
徳島県は、全国と比べても国保料が異常に高い。(激変緩和だけでなく)保険料そのものを引き下げる支援を県も行って欲しい、等々、要望が出されました。

この他、後期高齢者の窓口負担を1割→2割へと引き上げる方針が示されていることについて、年金も減らされる中、高齢者の暮らしは大変厳しく、これ以上の負担は耐えられない。国に窓口負担増を止めるよう意見を言って欲しい、また、県独自の支援策を設けて欲しい等、切実な要望が出されました。

介護保険については、ケアプランの有料化が計画されているが、利用者の負担増にもなる上、公平中立のプラン作成ができなくなる、ケアプランの有料化をしないよう国に求めて欲しいとの要望も出されました。

県担当者からの「現場で働くみなさんからの訴えを直接聞く機会は貴重」との声もあり、医療や介護の現場の職員が参加して、直接実情を訴え、要望を伝える懇談の意義は大きいと感じました。大変忙しく厳しい状況にもかかわらず、キャラバンに仲間を送り出していただいた現場のみなさんにも、あらためて感謝します。

(写真は、井上純さんのFBの投稿からいただきました)