「記念オーケストラ疑惑の真相を明らかにする会」 第2回総会に60人が参加

 

開会のあいさつを行う井上代表委員

1月26日(土)、「記念オーケストラ疑惑の真相を明らかにする会」(略称:「明らかにする会」)の第2回総会が開催され、結成総会を上回る約60人が参加しました。

 

 

飯泉県知事は、演奏会ごとに東京のプロの演奏家を集めて編成する「とくしま国民文化祭記念管弦楽団(通称:とくしま記念オーケストラ)を2011年に設立。2018年2月までの7年間、11億5千万円を超える県費を注ぎ込んで演奏会などの事業を行ってきましたが、この事業の請負事業者の音楽プロダクションとその元代表の川岸美奈子氏が2017年5月に脱税事件で告発されたことで、この事業をめぐる疑惑が発覚。「県政の根幹にかかわる問題(自民党議員の本会議質問より)」として、県議会での疑惑追及が始まりました。

川岸氏は、県の政策参与を2年間務め、その後は記念オケ事業を担った公益財団法人文化振興財団の事実上の政策参与として給与をもらいながら、事業の下見などの準備も含めて県内外の移動に700万円を超えるハイヤー代を使い、記念オケ事業を拡大、増額していきました。

記念オケの主な事業費は、知事が会長を努める任意団体が管理し、議会のチェックを受けない「基金」から拠出され、「基金」への県費支出も負担金、助成金、委託金料の名目で支出するなど、事業費の流れが複雑で不透明な仕組みがつくられていました。また、担当課の県職員ほぼ全員が本来の職務を免除され、任意団体の仕事に当たるなど、組織的にも問題のある運営がされていたことが日本共産党の調査で明らかになっています。

知事は、「旧知の仲」と言われる川岸氏との「会食」の事実も認めず、国税庁が調査した3年間の事業費のみ「検証」し、「概ね適切に使用された」と結論づけて、2018年2月に事業を打ち切り、疑惑の幕終いを図ろうとしています。

議会で多数を占める自民・公明会派は、昨年6月議会で、日本共産党と「和の会」が提出した川岸氏を参考人招致する動議を否決。9月議会からは、疑惑追及を続ける日本共産党県議団の文書質問を封じるなど、知事の疑惑隠しに手を貸しています。

 

「明らかにする会」は、疑惑解明を求める県民有志が2018年2月に結成。1年間にわたり、知事や議会に疑惑解明の要望書を提出、議会傍聴や県庁前での抗議宣伝、各地での学習会、県民アンケートなどを実施するなど、粘り強い活動を続けてきました。

 

第2回総会では、達田良子県議会議員、元北島町創生ホール館長の小西昌幸氏、「鳴門第九を歌う会」の山室昭次氏からの特別報告がありました。

 

報告を行う達田良子県議

達田県議は、川岸美奈子氏の脱税事件が発覚しなければ「とくしま記念オーケストラ事業」の事業費は今も膨らみ続けていただろうと振り返り、国税庁が調査したのは事業の最初の3年間だけであり、4年目から事業費が膨らんでいる、多額の事業費(税金)がどのように使われたのか、肝心な部分が闇のままだと語りました。

県民の疑問を代弁する議会質問にまともに答えようとせず「はぐらかし答弁」を繰り返している知事も、文書質問を2回もにぎりつぶし、数の力で幕引きを図ろうとする知事与党も許せない、さらに徹底解明を求めていくと決意表明しました。

 

 

小西昌幸氏(元北島町創生ホール館長)は、在任中、北島町創生ホールで行う「創生事業」の予算がある日、打ち切られゼロ円にされてしまったことで、自分の仕事魂に火がついた。北島町で現在定着した「アイルランド音楽事業」は、40万円程かかるが、チケット収入だけでまかなおうと決意し、成功させた。今では、全国から出演依頼がくる注目の音楽事業に発展していると語りました。

今回、「記念オケ」の多額の事業費を知ったとき、「世の中こんな無茶苦茶は無い」と、思ったそうです。さらに、オーケストラ全員の演奏者のギャラよりも、 たった1人の人物にハイヤー代等の事業費以外の別枠経費が多く支出されている事実を知り、「血液が逆流するような」怒りがこみ上げてきたそうです。

「VS東京」と言いながら、地方が食い物にされていることに警鐘を鳴らす必要がある、 全国のクラシックファンや舞台関係者に知らせるために、もっと広く発信すべきだと提案されました。

 

山室昭次氏(元鳴門第九を歌う会)は、 現在の「鳴門第九を歌う会」は、NPO法人で運営され、3万円程の個人会費が主な収入で運営され鳴門市からの予算は鳴門市文化会館使用料程度。それと比べて、多額の県費を投入した「とくしま記念オケ」事業は異常だと語りました。

 

会では、「特別決議」を採択し、2月議会、知事選、県議選に向けて、知事と議会に疑惑の徹底解明を求める請願の提出、知事候補への公開質問状を出すなど、今後の活動計画を決め、散会しました。

 

昨年末、飯泉知事の「多選の弊害」を批判して、知事選への出馬を表明した自民党議員は、「多選の弊害の象徴」として「記念オケ疑惑」を上げています。この議員は、これまで「記念オケ疑惑」についてまったく質問したこともなく、「組織のルール」に従って川岸氏の参考人招致の動議を否決、達田議員の文書質問封じに同調してきましたが、それだけ、 「記念オケ疑惑」について、県民のみなさんからの批判が広がっていることの証拠です。

 

今、選挙を前に、県民のなかで、安倍政権の暴走政治への批判とともに、「記念オケ疑惑」への関心が高まってきています。

県民とともに「記念オケ疑惑」の徹底解明を求めて追及する日本共産党の躍進で、知事となれあい、疑惑の幕引きに手を貸す自民・公明などのオール与党に厳しい審判を下しましょう!