(広島原爆資料館写真集より)
69年前の今日、広島に原爆が投下されました。
私が看護師として勤務していた徳島健生病院は、被爆者検診などに熱心に取り組んでいた病院だったので、外来や病棟で多くの被爆者の方に出会いました。
なかでも、原爆投下で生まれたばかりの我が子を亡くし、夫とも死に別れて一人で生きてこられたあるご婦人のことが忘れられません。被爆の後遺症に苦しみ続けた人生。特に熱線を浴びて焼けただれた足の皮膚の傷は何十年経っても癒えることがなく、毎日処置が必要でした。
しかも、被爆による放射能の影響は、次の世代、その次の世代と悪の連鎖を生み出し、幾世代にもわたって命を脅かし続けます。こんな残虐な核兵器は一刻も早くなくさなくてはいけないと、核兵器禁止条約の署名にも取り組んできました。
今年の広島平和祈念式での平和宣言は、「核兵器廃絶をめざし核兵器禁止条約の交渉開始を」求め、「『絶対悪』による非人道的な脅しで国を守ることをやめ、信頼と対話による新たな安全保障の仕組みづくり」をと、「核抑止力」論との決別を力強く訴えています。この平和宣言を一刻も早く現実のものとするために、力を尽くしていきたい。
8時15分、黙祷しながら静かに思いをめぐらしました。