7月15日(水)19時~、村がごみ焼却施設学習会を開催したので参加してきました。
講師は、(財)日本環境衛生センターの岩永氏です。
今回は、専門家を招いての学習会、「ごみ処理技術と排ガス処理、ダイオキシン類の基礎、排ガス中の水銀等について」と銘打ってのものでした。
村民に、いかに今のごみ処理(焼却)技術が進んでいて、どれほど安全なものかを理解してもらおうと、村長が企画したものです。前回の松山クリーンセンターの所長を招いての学習会がさんざんだったことの挽回の意もあったのだと思います。
しかし、岩永氏は、ダイオキシン類の発生がいかに抑えられているかという話は詳細にしても、ダイオキシンの毒性が、他と比較にならない(どれだけ薄まれば安全かという基準はないに等しい)ものだという話には触れない、ダイオキシン類の測定を連続して行うことは不可能と言う(連続測定は可能。実際、ヨーロッパでは連続測定している)、排ガス中の重金属類分析結果について説明しながら、日本では実際にはごみ処理施設での重金属類の測定は義務づけがなく、安全基準も設けられていないことなどについては触れない・・・といった都合の悪いことには触れない内容で、参加者の質問で、すぐにごまかしが明らかになりました。
参加者から、「全国でたくさんのごみ処理施設ができているが、今まで事故や健康被害は出ていないと理解していいですか?」の質問に、岩永氏が「今のところ聞いたことがありません」と答えたのには驚きました。
私は、最後の質問者になりましたが、2015年4月に起きた山梨県の焼却施設(エルテックサービス)の焼却炉内壁張り替え作業中の煉瓦崩落事故や、2013年に福島県で起きた爆発事故などを上げ、事故はあちこちで起きていること、岩永氏の資料にも水銀混入事故の例が載っていることなどを指摘しました。
岩永氏は、「住民に被害が起こったことはないという意図でお答えした」と訂正しましたが、爆発事故などが起これば汚染物質が広く拡散し、取り返しがつかない事態になります。また、水俣病など、汚染物質の蓄積で起こる健康被害は長い年月を経てはじめて現れ、しかも、ゴミのような雑多な成分が混じったものを燃やして出る多種多様な汚染物質のなかで何が原因か特定することは非常に困難です。
一見、真摯に真実を述べるように見せながら、肝腎な問題ではごまかす、許せない態度だと思いました。
村の運営も、質疑応答で、質問者には一人5分、3問までと制限をする一方、岩永氏には延々としゃべらせ、質問していないことまで発言していても注意もせず、「はい、予定の時間(9時)が来ましたので、これで終わります」と、不公平な運営でした。
村長は、今後もこうした学習会を重ね、「村民のみなさんの理解を得」る努力をしていると、実績づくりを狙い、反対運動の沈静化を待っているようですが、そうはいきません。