佐那河内村の戦没者追悼式に出席し、追悼の言葉を述べさせていただきました。
佐那河内村では、先の大戦で戦地に赴いて亡くなられた243名の方の追悼をご遺族とともに行っています。
私は、議員として初めて出席させていただきました。
私の追悼の言葉全文を以下に掲載します。
平成27年度 佐那河内村戦没者追悼式 追悼の言葉
平成27年度 戦没者追悼式に臨み、追悼の言葉を申し述べます。
日本国民の300万人もの方々が犠牲となった先の大戦から71年が経とうとしています。
戦争のために平穏な日常を奪われ、また、希望ある未来を断たれ、犠牲となられた方々。私たちは、その一人一人の無念の想いに心を寄せることを忘れてはならないと思います。
特に、戦後70年という節目に当たる昨年、安全保障関連法をめぐっての論争のなかで、戦争のために亡くなられた多くの方々、戦禍を生き延びた方々の幾多の苦しみの上につくられた日本国憲法の意義をとらえなおそうという動きが強まっています。
また、戦後70年続いてきた日本の平和が何によって守られてきたのか、若い方も含めて、あらゆる世代で関心が深まっただけでなく、自らの主張を思い思いにアピールし、行動するという流れが大きく広がっています。
「戦争には良い戦争も悪い戦争もない、戦争とは殺し殺されること、大量殺人だ」と言われた方がいます。まさにそのとおりだと思います。
東西冷戦もなくなり、21世紀は戦争のない時代になると誰もが希望を持っていました。しかし、国と国との戦争だけでなく、テロという形の、いわば「新しい戦争」が世界各国で起こる時代となってしまいました。この時代にあって、「平和」という言葉がいっそう重みを増しています。
今日、29日は、奇しくも昨年成立した安全保障関連法の施行日です。
この日にあたり、私は、毎年、こうして戦没者を追悼し、平和を引き継いでいくことを誓う機会を持つこと、「戦後」という言葉がいつまでも使われ続ける日本でいること、そのこと自体が、今、重要で深い意味を持っていることを、あらためて捉え直さなければいけないと感じています。
私は、戦没者とそのご遺族の苦しみを本当に意味あるものとするためにも、戦争を二度と繰り返さないことを誓い、世界平和に貢献することを宣言した日本国憲法を守り、次の世代に引き継いでいくために力を尽くすことをお誓いします。
最後になりましたが、本日、追悼式を開催していただきました関係者の方々、ご参列されたご遺族の皆様に深く感謝申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げまして、追悼の言葉といたします。
平成28年3月29日
徳島県議会議員 上村恭子