3月20日に行った対政府交渉での「徳島病院の存続を求める申し入れ」の全文を紹介します。
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2018年3月20日
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
日本共産党徳島県議会議員 山田 豊
同 達田 良子
同 上村 恭子
徳島病院の存続を求める申し入れ
徳島病院を閉鎖し、その機能を東徳島医療センターの地に移転・統合するとする再編案が、昨年12月に徳島県地域医療構想調整会議に提案され、今年2月21日には基本構想が公表されましたが、地域住民や医療従事者から突然の廃止方針について困惑の声が上がっています。
徳島病院の閉鎖を前提とした基本構想は一旦白紙とし、徳島病院の存続、充実を求めます。
以下、その理由を述べます。
徳島病院は吉野川市の地で県内のみならず、四国4県の筋ジストロフィーを含む神経・筋疾患難病の政策医療を担う基幹施設であると同時に難病医療の支援体制を担っています。
難病治療・リハビリをさらに向上させるとして、2013年には、16億1000万円を投じて病棟を新築移転し、総合リハビリテーションセンターも開設しています。
特に総合リハビリセンターは、再生医療リハビリの確立を目指すなど、国内でも最先端のリハビリに取り組み、ALS等、神経・筋疾患難病の患者さんの大きな希望の星となってきました。移転・廃止となれば、四国4県にとっても大変な損失となります。
この他、徳島病院は、内科等、一般的な科の診療も行っており、地域医療のなかで重要な役割を果たしています。
さらに、大規模災害時には、徳島県東部Ⅲ圏域の支援病院に指定されており、人工呼吸器等の専門的治療での支援が期待されています。
一方、板野町にある東徳島医療センターは、重症心身障害や結核等の呼吸器疾患医療を特徴とする専門的医療を担っています。
徳島県東部Ⅱ圏域にあり、大規模災害時の支援病院に指定されていますが、旧吉野川や中小河川に挟まれた地にあり、南海トラフ巨大地震時には洪水で2~5メートルの浸水被害が予想される浸水地帯となっており、災害時要援護関連施設に指定されています。
南海トラフ巨大地震がいつ起こるかわからない時代に、あえて、浸水被害が予想される場所に、防災上何の問題もない徳島病院の機能と患者を移すことは患者の安全上も大問題です。
基本構想では、両病院が実施している専門的医療、臨床研究、リハビリテーション等について、将来にわたって実施できる体制を確保するとともに、患者の療養環境をさらに充実していくことをうたっていますが、あまりにも地域の実情を無視し、防災上も問題の多い計画だと言わざるを得ません。