平和ミュージアムとくしま実行委員会が主催し、今日、明日の2日間の日程で徳島大学常三島キャンパスのけやきホールで開催されています。
「次代を超えて戦争の真実を伝える」をテーマに、ピースコンサート、戦争体験者による語り、徳島大学生の研究報告、展示など、多彩な催しが企画されています。
呼びかけ人の一人として、開会のあいさつに立った岸 積氏は、70年前、太平洋戦争が始まった12月8日を「開戦記念日」とせず、「開戦してしまったことを反省する日」にすべきだと記した、新聞社の社説を紹介。「今年は、若い人(徳島大学の学生)が自分たちで調べたことを報告する。戦争について語り継ぎ、(戦争の真実を)リレーしていく時代に入った」と語りました。
3人の方が戦争体験を語った後、徳島大学の学生さんが報告した、「シベリア抑留の実態と教訓」は、圧巻でした。
シベリアに抑留された樫原さん(鳴門市在住)の体験の聞き取りをもとに、学生自身がその実態を調べ、何を学んだかを報告したものです。
樫原さんは、国のために死ぬことが当然とされた時代を疑うことなく受け入れ、出征時に「出世などしなくていい。生きて返ってきて」と語った母親を軽蔑さえした。敗戦で価値観が一変。この言葉に、母親の愛を感じ、平穏な日常の暮らしこそかけがえのない大切なものだと気づいたと語ります。
シベリア抑留のなかでの労働を、国家が犯した罪をつぐない、日本を平和国家に再建するために日本兵士に課せられた業務だととらえ、どんな過酷な状況のなかに置かれても、創意工夫して働くことで喜びを感じた、だから生き延び、帰ってこられたと語ったそうです。
こうした体験の聞き取りと戦争の事実を調べる中で、学生さんたちは、「時代の流れを疑うこと」、「創意工夫して働く、真の労働の喜び」を学んだと生き生きと語りました。
体育館には、「学徒出陣で夢を絶たれた学生の残した絵」「徳島の特攻:白菊部隊」「慰安婦問題」「731部隊」などのテーマ別の展示もあり、見所満載でした。
会場には学生さんをはじめ、若ものの姿も多く、まさに、戦争の実相を次代に伝えていく企画となっていることを実感しました。
是非、多くの方に見に来ていただきたいと思います。