今日は、文教厚生委員会の保健福祉部・病院局の付託委員会がありました。
私は、一般質問でも取り上げた国民健康保険の問題について質問しました。
国保の高すぎる保険料(税)については、今以上、上がらないよう県独自支援策も検討する、市町村の一般会計からの法定外繰り入れは、今後も市町村の判断にゆだねるとの答え。「県独自支援策」の中身は具体的には述べませんでした。
委員会に付託されていた議案―一般会計補正予算等、国民健康保険法施行条例の制定をはじめ、各施設の指定管理者の指定など、すべての事案を採択。
県社会保障推進協議会が提出した請願については、「国保の県単位化にあたって払える国民健康保険料(税)にすることを求める請願」は、不採択。「『若い人も高齢者も安心できる制度年金』を国の責任で創設するための意見書採択に関する請願」については継続となりました。
国保は、来年度から県が財政運営主体として市町村とともに運営に当たることとなり、仕組みが変わります。今までは、市町村が保険料(税)額を決め、加入者から徴収し、給付していましたが、来年度からは、県が市町村の納付額を決定し、各市町村の標準保険料(市町村が加入者から集める保険料の目安額)を示します。市町村は、県から示された標準保険料を目安に加入者の保険料を決定し、徴収することとなります。
国保は、その保険料(税)が高すぎて払えないことが問題になっています。加入者の多くが無職者や年金生活者、非正規労働者などの低所得の上に、国が国庫負担を削減し続けてきたため(50%超→現在は25%程度)、市町村の負担増、加入者の保険料(税)負担増に繋がっています。
その保険料(税)が所得に占める割合=保険料(税)率は、協会けんぽや共済保険加入者の倍以上になり、保険料(税)が払えずに無保険や滞納になるケースも出ています。
国保加入者の高齢化で医療費は増大。それが加入者の保険料をさらに引き上げるという悪循環で、市町村は、加入者の保険料負担を抑えるため、一般会計から国保会計に繰り入れるなどの対応をしてきましたが、それももう限界。
こうした国保の構造的問題の解決をはかるとして、国は、市町村国保の広域化(都道府県に財政主体を移し、管理させる)を打ち出したというわけです。
しかし、もともとは、国庫負担を大きく減らしてきたことが原因ですから国庫負担を増やさない限り問題は解決しません。
全国知事会も、制度改正に当たって1兆円の国庫負担増額を求めていましたが、国が増額するのは3,400億円。現在、市町村が行っている一般会計からの法定外繰り入れの額にも足りません。
その上、徳島県は、全国に比べ、国保加入者の所得がかなり低いのに、県の独自支援はゼロ。市町村の法定外繰り入れもごく少ない。
平成26年のデータでは、国保加入者1人あたりの所得が年間42万4千円に対して、保険料(税)は約9万円と、所得に占める保険料負担は実に21.2%にもなり、全国一高い負担となっています。(全国平均は、所得約66万円。保険料(税)約9万円超)
私は、今回の制度改正を機会に、県が法定外繰り入れを行って市町村を支援し、まずは、高すぎる保険料(税)を引き下げるべきではないかと質しました。
県は、保険料(税)がこれ以上、上がらないよう工夫する―来年1月の標準保険料決定に関して、来年度当初予算編成に向け、「独自支援」策も検討したいと答弁しました。(「独自支援」の詳細についても質しましたが、明らかにしませんでした)
また、市町村が独自の判断で一般会計からの法定外繰り入れを行うことを認めるよう求めたことに対しては、市町村の判断に任せるとの答弁でした。
委員会に付託されていた請願2つ―県社会保障推進協議会からの国保の請願「国保の県単位化にあたって払える国民健康保険料(税)にすることを求める請願」は、不採択。「『若い人も高齢者も安心できる制度年金』を国の責任で創設するための意見書採択に関する請願」については継続となりました。
私は、どちらも採択をと主張しましたが、委員からの「不採択」、「継続」の一言で、理由も言わず決まってしまったことは、大変残念です。