1月10日、ふれあい健康館で上映されていた「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」を観てきました。
「いくさばぬとぅどぅみ」は、沖縄の方言で、「戦場になることを止めよう」という意味です。
「標的の村」の三上知恵監督の最新作で、沖縄の辺野古への新基地建設を止めようと立ち上がった沖縄の人々のたたかいを中心に描いたドキュメンタリー映画です。
第二次世界大戦終末の沖縄戦を生き延びた「おばあ」の語りを織り交ぜながら、基地建設に反対する人々の日常を描き、辺野古への新基地建設がどのようなものなのかを鋭く告発しています。
沖縄の人々の基地への想いを歴史的な事実を踏まえて浮かび上がらせた、奥の深い映画でした。
時の政権の思惑に翻弄されながら、今も米軍に「占領」されているに等しい沖縄。辺野古への新基地建設反対の強固な民意を、県知事選、衆議院選と示してきたにもかかわらず、それを踏みつぶすようにして推し進められる基地建設。その現場で日々何が行われているのかを端的に告発する映像は、衝撃的で、今、沖縄で起こっていることを観る者すべてに考えることを強く迫るような迫力があります。
権力に抗することに人生の大半を費やしている人々、生活のために、あきらめ受け入れる人々。その両者の苦悩も率直に描きながら、反対することをあきらめた人々にも、権力の最前線で県民の前に立ちはだかる警察や海保の人々にさえ温かい目を向けていることを垣間見るような映像に、私は救われるような想いでした。
どんなに押しつぶされようが、踏みつけられようが、この理不尽な政治を変える力は脈々と受け継がれ、強く大きな流れになって未来に続いていくことを、言葉ではなく、映像を通じて観るものに伝え、勇気をわき起こらせてくれる映画でした。