貧困問題について学びました

29日、労働者福祉メーデーで、藤田孝典氏の「全世代に広がる貧困―下流老人と貧困世代―」と題した講演を聴きました。

藤田氏は、ベストセラー著書「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」の著者です。
学生時代からホームレスの支援などのボランティア活動を通じて、誰もが貧困に陥る可能性がある社会だということを実感し、貧困のない社会を目指して精力的に行動している藤田氏の話は、大変インパクトのあるものでした。

藤田氏は、2004年からNPO活動を始め、現在は、特定非営利活動法人「ほっとプラス」の代表理事として年間500件の相談活動に携わりながら、聖学院大学人間福祉学部の客員教授も勤めています。

国民の生存権と国の責務をうたった日本国憲法第25条が生かされていない日本社会の現実を相談事例も紹介しながら告発。
貧困や格差が広がった根本原因は、雇用破壊と社会保障の切り捨てにある、現状を変えなければ日本社会は崩壊する、持続可能な社会にするために、働き方改革と社会保障の充実へ、政治を変えて行こう、そのために行動しようという話は説得力のあるものでした。

ところで、「下流老人」というネーミングは、インパクトのあるものにとこだわって1年間も考え抜いたそうです
貧困問題を解決するためには政治を変えなくてはいけないとの発想は、私たちと共通するものがありますが、政治家を動かすために、―世間の注目を集め、理解を得るためにいかに効果的に動くか―という、いわば「戦略」を重要視していることが感じられました。この点では、若い人の発想は違うと思ったところです。

どうしたら自分の主張が社会に受け入れられるか、常に熟慮し、情報発信も工夫すると言う話にも学ぶべきことが多く、講演を聴くことができて本当にラッキーだったと思いました。

              講演する藤田孝典氏