防災対策特別委員会(付託)

17日は、防災対策特別委員会でした。

南海トラフ地震(政府 地震調査研究推進本部HPより)

県からは、南海トラフ巨大地震に関して、気象庁から「臨時情報」が発表された場合の「住民避難の対応方針」(「徳島県南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応方針(案)」)が示されました。

県は、海陽町等をモデル地区として、避難行動に関するワークショップや津波避難に関するアンケートなど、様々な取り組みを行い、その結果を検証して、今年中に方針を策定するとしています。

最も問題になっている「半割れ」(南海トラフの東側半分、または、西側の半分の領域で大規模地震が発生した状態―残りの半分が連動して大規模地震が起こる可能性が高い)の場合の避難行動について、県は、災害リスクを「津波」以外に、地震の揺れによる「土砂災害」、「家屋倒壊」を挙げ、「避難すべき方」「避難が望ましい方」「警戒態勢を取る方」と区分して避難行動を示しています。

海陽町で2,000人を対象に実施された「津波避難とくらしに関するアンケート」では、「臨時情報」の認知状況が約3割という結果が出ています。私は、まずは、住民の「臨時情報」についての認知度と理解を上げていくことが重要ではないかと問いました。

県は、住民にとって身近な市町村レベルで取り組みをすすめていってもらわなくてはいけないとし、出前講座などでも知らせていくとの答弁でした。

この他、指定が遅れている福祉避難施設の問題も取り上げました。

県が補助を増額した木造住宅耐震化の進捗状況については、今年10月時点での結果を集計中とのことでしたが、11月までで440軒と、4ヶ月を残してすでに前年度の2割増しに達しているとのこと。この間、巨大地震発生のリスクが高まっているとの報道がさかんにされていることで、住民のみなさんの意識が高まっていることも影響しているとは思いますが、県が最高補助額を60万円→110万円に引き上げた効果が出ています。

阿南市の住民のみなさんから「問題ではないか」と問い合わせのあった、12月16日の日和佐の「防災まつり」での子どもさんへの自衛隊の制服の試着・撮影コーナーについても取り上げました。消防隊など、災害救助にあたる職員の制服の試着・撮影コーナーはないのに、なぜ、「自衛隊」だけなのかと問いましたが、「自衛隊は、災害救助で重要な役割を果たしている。防災まつりの参加・協力機関にも加わっていただいている。」として、特に問題だとは思っていない様子の答弁でした。

私は、「自衛隊は、安倍政権が強行した安保法制によって、集団的自衛権行使の任務まで与えられ、海外の危険地帯に送られた第一線の自衛隊員は、いざというときは相手を殺傷するか、自分が殺されるか、究極の選択を迫られるような命の危険にさらされている。こんな危険な任務が待ち構えていることなど知るよしもない子どもたちに、制服を試着させて、格好良い、楽しいといった思い出をつくることで、自衛隊への好印象を植え付け、将来自衛官を目指してもらおうというのは問題だ。実際、自衛隊の各地の地協本部では、若ものの自衛隊への関心を高め、自衛官への応募を増やす取り組みの一環として様々な地域の行事でこうした取り組み、宣伝を行うことを謳っている。住民のみなさんから、心配の声が上がるのは当然で、主催者として、注意すべきだ。」と指摘しました。

また、6日未明に高知県沖で起こった米軍機の事故に関連して、7日に米軍のオスプレイが徳島空港に飛来、離着陸した問題についても問いましたが、「委員会の付議事件ではない」として、受け付けてもらえませんでした。(この問題については、市民団体のみなさんが、すでに県に申し入れを行っており、私も、事前に総務課から事情を聞いていました。)

収容された搭乗員の遺体をオスプレイに搬送する米海兵隊員ら=午前11時20分、徳島県松茂町の海上自衛隊徳島航空基地 (2018年12月7日の徳島新聞ニュースより)