私は、日本共産党を代表して、請願第18号「若い人も高齢者も安心できる年金制度について」は、継続審査ではなく、採択すべきとの立場から討論を行います。
公的年金は、老後の生活保障の柱であり、現役労働者も若い人にとっても将来高齢になったときに安心してくらしてけるだけの公的年金が保障されるかどうかは重大な関心事です。国の調査でも、社会保障制度で充実させるべき分野は「老後の所得保障(年金)」と答えた方が41%を占めており、特に30代から40代の現役世代の強い要求となっています。 ところが、現状は、年金受給者の40%近くが月10万円以下の年金です。そのため定年退職後も年金収入だけで暮らせない高齢者は嘱託、契約、アルバイト、パートなどで食いつながざるを得えず、ゆとりある豊かな老後とはほど遠い状況です。健康を害して働けなくなると事態はもっと深刻になります。
生活保護世帯のうち65歳以上の世帯の割合が50.8%を超え、低年金や貧困の深刻化が鮮明になっています。
政府が昨年末、強行した「年金カット法」による年金引き下げや年金開始年齢のさらなる引き上げが、将来不安をいっそう高めています。
長年、日本社会のために貢献してきた高齢者が安心して暮らしていけるだけの年金額を毎月安定的に得ることは、高齢者にとって当然の願いであり、憲法に保障された国民の権利です。
また、年金のほとんどは消費に回るため、消費や税収等、地域経済や地方財政に大きな影響を与えます。
国の責任で、「若い人も高齢者も安心できる」年金制度を実現することは、 社会保障の問題だけではなく、地域経済、地方財政にとっても喫緊の課題です。
請願にある要望事項の「年金の隔月支給を国際標準である毎月支給に改めるこ と」、「年金支給開始年齢の引き上げは行わないこと」、「『マクロ経済スラ イド』は廃止すること、「全額国庫負担の『最低保障年金制度』を早期に創設すること」は、どれも切実な県民要求であり、この声を国に届けることは、県民を代表する県議会として当然の責務ではないでしょうか。
よって、本請願は速やかに採択し、国に意見書を上げるべきです。
議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。