9日、徳島市の原市長が、ごみ処理施設建設を市単独ですすめることも考えていると発言したとの報道がありました。
7市町村が加わる協議会で、佐那河内村に広域ごみ処理施設建設を計画していることが判明したのがちょうど一年前。それからの村政の混乱は、出直し村長選にまで発展。計画の白紙撤回を政策の柱に打ち出した新村長が誕生したばかりです。
村民は、18億円の迷惑料よりも、村の自然環境、住民の健康、農業を守る選択を行いました。
佐那河内村は、ゴミを33分別し、燃やすゴミを極力減らす努力をしてきました。手間暇はかかるけれど、住民の環境を守る意識を高め、この努力によってごみ処理にかかる費用を抑えて、こどもの医療費無料化を中学卒業まで拡充することができました。(現在は高校卒業まで無料)
徳島市も、市民の協力を得て、まずは、生ゴミと紙ゴミを分別して収集するようにすれば、計画されていた440トンもの大量のゴミを燃やす炉は必要ありません。
新しいごみ処理施設建設にかかる費用も抑えることができます。
財政危機宣言を行っている徳島市が進むべき道は、こちらにあるのではないでしょうか。
燃やすゴミを減らすには、最終的には、政治の力で企業ができるだけ燃やすゴミを生み出さない商品をつくるような方向に持って行くことが必要です。実際、ヨーロッパなどでは、焼却が必要なゴミをできるだけ生み出さないシステムがつくられてきています。
こうした努力を怠っている日本は、世界有数のゴミを燃やす国となってしまい、地球温暖化の進行抑制に逆行する状況となっています。
佐那河内村のごみ処理施設建設計画撤回のたたかいの中で、住民運動を含め、多くのことを学んだとあらためて思い返しています。