10月24日の県議会閉会日での、県議団の意見書に対する反対討論を掲載します。
◆「地方議会議員の厚生年金加入のための法整備の実現を求める意見書」討論
私は日本共産党を代表して、議第3号「地方議会議員の厚生年金加入のための法整備の実現を求める意見書」をもっと慎重に審議すべきとの立場で、反対討論を行います。
大問題になっている富山での政務活動費の問題、徳島でも2人の県議の政務活動費等不正受給での辞職などを通し、県民から厳しい目が向けられています。この認識を今こそ持つことが必要だと私は思います。わが県議会での費用弁償の見直しもその一環ではないでしょうか。
まず慎重に検討すべきは、
地方議会議員の厚生年金加入の件が、国民的、県民的な議論になっているかという点です。
今、年収200万円以下の給与所得者が1000万人を超え、貯蓄ゼロ世帯が全世帯の3割にのぼり、国民年金の平均受給額は月約5万4000円です。このもとで、厚生労働省の国民生活基礎調査でも、8%の消費税増税後、生活が苦しいという回答が6割にもなっています。貧困世帯への影響も深刻、これが今の現状です。
また国会で現役世代の賃金が下がったとき、あわせて高齢者の年金も下げる。まさに負のスパイラル、最悪の悪循環につながる通称「年金カット法案」が提案されています。これは撤回すべきです。まず低年金の底上げをすすめることです。
さらに公的年金制度のなかに、最低保障の仕組みがないのは、先進国では日本だけです。国連の委員会からも、「最低年金を公的年金制度に導入すること」がたびたび勧告されています。最低保障年金の導入に足を踏み出せば、低年金・無年金の増大、年金制度の「空洞化」、サラリーマン世帯の専業主婦の「第3号被保険者問題」など、今日の年金制度が抱える様々な矛盾を抜本的に解決する道が開けます。この解決こそ政治の責任ではないでしょうか。
次に県議会などでも、厚生年金加入となれば、地方公共団体の多額の事業者負担も発生することになるでしょう。
地方議員の中でも、町村議会議員などは、歳費が低いなど、厚生年金加入の必要性はないわけではありません。しかし年金の現状、県民の生活実感、さらに地方公共団体の事業者負担などなど検討を尽くすべき課題が山積しています。それだけに粘り強く慎重に検討することが必要で、拙速な意見書提出はやめるべきです。
以上意見を申し上げました。議員各位の賛同をお願いし討論を終わります。