「応神ふれあいバス運行5周年 記念講演会」に行って来ました。
「応神ふれあいバス」は、地域住民が自主的に運営するコミュニティバスです。
バスも通っていない不便さを何とかしたいと、住民自身が立ち上がり、「走らせる会」をつくり、行政を動かし、運行を始めることができました。
8人乗りの小さなバスですが、週3日、午前・午後の2回、町内のスーパーや病院、施設など約30か所の停留所を経由して運行。往復400円。お得な定期券(半年、1年の2種)もあります。(町民以外の方も誰でも乗れます)
徳島市の地域公共交通総合連携計画の位置づけで、国からの補助金も獲得し、町内や近隣の企業の賛助も得ています。
運行を開始してから12月6日で5年目を迎えることを記念して、交通政策の専門家、名古屋大学大学院准教授の加藤博和氏を招き、講演会が開催されました。
「地域自ら『くらしの足』をつくり、守り、育てる時代へ―応神ふれあいバスは『最先端』を走っている―」と題した講演は、加藤先生の応神ふれあいバスの取り組みへの強い思い入れと愛があふれた心温まるものでした。
ご自身がかかわり、自分の足で確かめた豊富な事例の紹介もあって、大変具体的で楽しく、わかりやすく、1時間半の講演がとても短く感じるほどでした。
「住民がまず不便さを実感して『何とかしたい』と思うことが大事」ということ、「地域公共交通維持は『健康保険』のしくみと同じ」「『おでかけの足(公共交通)』がまともにないところは、真っ先に人口減少し滅びる!」「『おでかけの足』づくりを『地域みんなで進める』ことで地域は魅力的になる!」
「地域公共交通システムは、地域住民・利用者も、交通事業者も、市町村(行政)も、沿線企業等も、対等平等の立場で『一所懸命』支える」もの
等々、加藤先生のお話は、示唆に富んだものでした。
徳島県は、公共交通網が脆弱で、まさに「車がなければ生活できない」地域ばかりです。県としても、市町村と連携し、優先して取り組まなくてはいけない重要課題だと改めて思いました。
私も、普段はもっぱらマイカー派ですが、今日の加藤先生のお話を聞いて、たまには県内移動の際もバスや鉄道を利用してみようと思いました。