生涯賃金の格差1億円以上!? 正社員が当たり前の社会を!

 4月21日の「しんぶん赤旗」に、非正規雇用で働き続けた場合の生涯賃金が正規雇用に比べて1億円以上少なくなるというショッキングな記事が載っていました。
 厚生労働省が2月に発表した2013年の「賃金構造基本統計調査」から赤旗が試算した結果だそうです。
安倍内閣が今国会に提出しようとしている労働者派遣法「改悪」案では、企業がいつまででも派遣労働者を使い続けることができるようになってしまいます。「常用雇用の代替禁止」の大原則が取り払われてしまうのですから、今まで正社員が行っていた仕事を派遣社員に置き換えていく企業がいっそう増えることは確実です。
 記事では、「非正規雇用を際限なく増やす同法改悪が、賃金水準全体をいっそう押し下げ、貧困を拡大する無謀な政策であることは、この試算結果からも明らかです。」と述べています。
 こんな大改悪は許せません!! 「正社員(正規雇用)が当たり前」の社会の実現こそ、国民多数の願いであり、働く者の所得を増やし、社会保険財政を安定させる道でもあると思います。

 以下、赤旗に掲載されている「年齢階層別平均年収」のグラフとその説明を転載します。

 この試算では、フルタイムにあたる「一般労働者」について、年齢ごとの平均年収を、正規雇用と非正規雇用で比較し、生涯賃金を集計しました。

 若い世代では正規雇用と非正規雇用の賃金格差はそれほど大きくありません。20~24歳の場合、非正規雇用の平均年収は228万7000円で正規雇用308万8000円の74・1%です。

 しかし、年齢を重ねるにつれて正規雇用の賃金が上がるのに対し、非正規雇用ではほとんど変動しないため、格差が広がります。50~54歳の年収は正規雇用631万4000円に対し、非正規雇用267万9000円と、半分以下にすぎません。

 このデータをもとに20~64歳で得られる賃金を計算すると、正規雇用で2億2432万円、非正規雇用では1億2104万円となり、その差は1億328万円となります。

 なお、非正規雇用の平均年収のピークは60~64歳です。これは60歳で定年を迎えた正規雇用労働者が非正規雇用で再雇用されたために平均年収が引き上がったことが最大の要因です。そのため、実際に非正規雇用で働き続けてきた場合の生涯賃金はさらに低くなると考えられます。

 しかも現役時代の賃金は年金給付額に反映されるため、格差は一生拡大し続けます。