風しん患者急増を受けて  県が抗体検査無料実施を提案

今日は、臨時の文教厚生委員会が開催されました。

 

県内で2人目の風しん患者が確認されたことを受け、「風しん抗体検査等推進事業」として6,500万円の補正予算の追加提案を審議するためです。

 

関東地方を中心に風しん患者が昨年の8倍、9月23日までに770人になり、国立感染症研究所・感染症疫学センターが風疹急増に関する緊急情報を公表していますが、2013年以来の大流行が予想されているということです。

 

2013年の大流行時には、全国で14,000人もの患者が報告され、妊娠初期の女性の風しん感染による「先天性風しん症候群」にかかった赤ちゃんが45人確認されています。

提案内容は、感染の拡大を防ぐため、風しん抗体検査の無料実施と、感染拡大防止のための啓発事業を行うというものです。

 

具体的には、以下の内容です。(明日の本会議で採決に付されます。)

自動代替テキストはありません。

 

対象者   ① 妊娠を希望する又は妊娠する可能性の高い女性

      ② 昭和37年4月2日~平成2年4月1日までに生まれた男性(今年度28歳~56歳)

実施場所  県内6保健所及び協力医療機関(2013年時には県内の約400の医療機関が協力)

検査料金  無料

実施期間  2018年10月16日(予定)~2019年3月末まで

      県内の6保健所は10月23日、10月30日のみ18時~19時も対応

検査結果後の対応

      陽性の場合:問題なし

      陰性の場合:保健所・医療機関からワクチン接種のアドバイスを行いワクチン接種をしてもらう

      (ワクチン接種料金については、市町村に補助をお願いする)

 

県の説明によると、2013年の大流行時もほぼ同様の対応を行い、流行を防止できたとのことです。

県内の検査対象者(①、②)は約12万人いるそうですが、6,500万円の予算で約1万1千人が検査を受けられる計算とのこと。

(2013年~2014年時は、約1万人がこの制度を利用して検査を受けたとのこと)

 

委員からは、抗体検査を受けてもワクチンを接種してもらわないと意味がないのでは?a)ワクチンの助成はしないのか?b)今年度限りの対応なのか?c)急いで広報する必要があると思うが、県民にどのように知らせるのか?d)市町村にどのように働きかけるのか?e)ワクチンの供給は大丈夫か?不足することはないのか?等質問が出ました。

県の答弁の概要は以下のとおりです。

a)ワクチンの助成は、県はしない。市町村にしていただく(前回もそうだった)とのこと。ワクチンの費用は約1万円。市町村はほぼ半額補助で、残りは自費と考えているとのことでした。

b)期間は、前回と同様、2019年度末までの2年間を考えている。

c)職場を通じて知らせてもらうなど、早く確実に知らせることができるあらゆる手だてをとる

d)市町村には、早急に県から対応をお願いする

e)県内では4社がワクチンを提供している。一時は不足が伝えられていたが、現在は大人の摂取にも対応できる数を確保していると聞いている

 

私は、緊急措置として、今回提案の事業内容に意義はないが、一部自治体では、ワクチン接種の補助の上限を3,000円としているところもある。たとえ、半額補助でも自費で5,000円が必要。抗体がないのに、費用負担が重くて摂取できない人が出ることがないよう、県としてもワクチン接種にも助成する制度を設けること、さらに、過去2回の大流行を教訓に、県として、恒常的な事業にしてはどうかと提案しました。

 

この追加議案は、明日の本会議で採決に付されます。

 

※ 風しん(三日ばしかとも言う)は、風しんウイルスに感染して起きる発疹性の病気で、軽い麻しん(はしか)の症状に似ています。春先から初夏に流行することが多く、2~3週間の潜伏期の後、発熱と共に発しんがみられ、3日程持続しますが、熱が出ないこともあります。また、この時期に首や耳の後ろのリンパ節の腫れる症状が現れることも特徴です。

妊娠初期にこの病気にかかると、心疾患や白内障、難聴など(先天性風しん症候群)の子供が生まれることもあります。