24日午後、私の地元、佐那河内村の大川原観光農園芝生広場で行われた鳥インフルエンザ焼却実証実験を視察しました。
焼却炉が近くにない場所での高病原性鳥インフルエンザの発生を想定したもので、組み立て移動式の焼却炉でブロイラー400羽を実際に焼却する実験でした。
中四国で初の実証実験ということで、全国から大勢の見学者があり、マスコミも多数取材に来ていました。
ブロイラー400羽を完全に焼却するまでに約1.5時間。燃焼補助に材木を投入していましたが、前日の雨で材木が湿っていたせいか、もうもうと煙が立ちこめました。
焼却炉の蓋はありませんが、外側に装着された特殊装置により、必ず燃焼層で熱せられてから空気が放出される仕組みになっているとのことで、ウィルスなどが生きたまま空中に拡散することはないと説明がありました。
移動式焼却炉は、現在、国内に3機しかないそうで、今回は、九州の門司から移送したものを使用しているとのことでした。
月曜日に門司から運び出し、火曜日に、現地で組み立て、水曜日に焼却実験、終了後に一晩かけて焼却灰が冷えるのを待ち、木曜日に焼却灰を除去、機材を洗浄、乾燥させ、金曜日に門司に移送・・・と全行程5日間もかかるそうです。
今までは、近隣の焼却場まで、専用の容器に密閉して運搬し、焼却するか、発生地で埋却(3年後に掘り出し、再処理が必要とのこと)しているそうですが、埋却は、地下水汚染等、衛生面での配慮も必要で、近隣住民の理解を得たり、関係部局との事前協議が必要、さらに3年後に掘り出して再処理が必要など、色々と面倒なことがあるとのこと。
実証実験では、空気中のダイオキシンやその他、有害物質が出ていなか等の測定も行っていました。(密閉容器や容器を入れたフレコンバッグはダイオキシンが発生しない材質でできているとのことで、フレコンバッグごと焼却していました。)
今回の実証実験を検証し、課題等を抽出するとのことでしたが、移動式焼却炉は防塵設備もないため、天候によっては煙が周囲に蔓延するなど、色々と問題がありそうです。