新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減った方の支援策として最も活用されている生活福祉資金貸付(緊急小口資金・総合支援資金貸付)特例措置について。
生活福祉資金貸付制度は、もともと低所得者向けにつくられた制度ですが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減り、生活資金に困っている世帯を救済する措置として、対象世帯・貸付上限・措置期間・償還期間・利子の緩和・拡大が行われました。償還時になお所得の減少が続く住民税非課税世帯は償還が免除されるという特例も設けられています。
申請窓口は市町村の社会福祉協議会で、県社会福祉協議会が審査しますが、厚生労働省によると、全国では9月5日までに、緊急小口は701,997件、総合支援資金は336,933件の利用(決定)があったそうです。
徳島県では、緊急小口が2,979件、総合支援資金が1,556件となっています。
コロナ感染症は経済的弱者の生活を直撃しています。
この膨大な申請数は、徳島県で働く人達がいかに脆弱な経済基盤で暮らしているかを示しています。まじめに働いていても、不測の事態が起きれば直ちに生活の底が抜ける、貯蓄など到底不可能な経済的な余裕のない生活実態が浮かび上がります。このことを念頭に聞いていただきたいと思います。
全国生活と健康を守る会連合会の調べで申請件数、決定数がわかりました。これをもとに決定率を出してみました。
全国では、申請件数に対して緊急小口資金は、97.84%、総合支援資金は、92.28%が決定、つまり、貸付を受けることができています。中には、申請に対して100%という県もあります。
ところが、徳島県では、緊急小口が87.31%、総合支援資金は75.35%と他県に比べて決定率がずいぶんと低くなっています。
私たちのところにも、わらにもすがる思いで申請したが、「不決定」の通知が届いた、また、申請に行ったが窓口でいろいろ言われて申請もさせてもらえなかったという方からの相談が次々と寄せられています。
そこでお聞きします。なぜ、徳島県の決定率はこんなに低いのでしょうか。
相談を受けていて困るのは、なぜ「不決定」とされたのか、理由がわからないことです。
「不決定」の場合に理由は開示されないことを認めた上で申請する仕組みになっているので、理由が聞けないんですね。この仕組み自体、おかしいと思うのですが。申請した方も、何が原因なのかわからなければ納得いかないと思います。なぜ、不決定の理由を開示しないのですか。
先日、「不決定」となった方のなかで本人の了解を得られた4人の方について、厚生労働省に申請内容に問題があるのかどうか調べてもらったところ、4人とも貸付を受けることができる内容だということがわかりました。厚労省が示している基準以外に、県独自の基準が何かあるのですか。お答えください。
この4人の方については、最申請してもらっていますので、善処していただきたいと思います。
現在も、申請したけれども「不決定」となったという方からの相談が増えている状況です。
緊急小口資金や総合支援資金の申請を却下された方はどうなるのか、大変心配です。ネット上で「緊急小口資金」と検索すると、消費者金融の宣伝がいくつもヒットします。なかには、行政の申請よりスピーディーに簡単に借りられますーなどと宣伝しているものもあります。
行政の制度からはじかれた県民がこうした消費者金融で生活資金を借りてしまい、さらに困窮することは県として、何としても防がなくてはならないことではありませんか。ぜひとも厚労省の指針通りに審査していただくよう、強く要望します。